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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

662.持ち上げられてきた人の評価が悪くなると、大したことないと見くびられてきた人の評価が見直されたりする。下方修正されても平気でいられる?

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慌ただしくなったと、天井を見上げる。

「ガチャンガチャン響くなあ。鎧かな?」
とサブリー。

「悪霊祓いに鎧?」
と考えて、思い当たった。

「「「御霊の戦士が実体化?」」」

「悪霊祓いどころか、活性化している。」

「御霊の戦士が実体化して、入ってきた?」

「入ってはきていないなあ。今のところ。天井は静か。」

「じゃ、法具?」

「法具を急いで持ち運んだからかー。」

「急いで持ち運ぶ?」

「成功していたら、そんな必要ないよな?」

「失敗したのかあ。」

呑気に会話していた、3人は、ふと自分達の会話を振り返った。

「「「何かが起きている!」」」



ミハ王子は、側近の制止の声に悩みながらも、法具を使うことにした。

ミハ王子には、王太子の兄がいる。

王太子の兄は、周りから、普通の人と評価されている。

翻って、ミハ王子は、優等生な王族で通ってきた。

幼少期には、出席する必要がなかった公務は、毎年、成長に合わせて少しずつ増える。

ミハ王子を狙う者は、ミハ王子が生まれてからずっと、狙い続けてきた。

安全をとると出席できる公務に偏りが出るので、ミハ王子の公務のバランスをとるため、と、安全確保のために、侯爵子息を婚約者にした。

他に使えそうな身代わりがいないと言われて、馬鹿な侯爵子息に婚約者を名乗らせることを渋々承知した。

ミハ王子が、馬鹿にしていた侯爵子息に騙されて、ハンティア王国に付け込まれる原因を作った日から、ミハ王子の優等生評価は下げ止まらない。

普通の人である、王太子の兄の方が、普通だから安心と言われる始末。

兄弟の評価は逆転してしまった。


侯爵子息が消えた後も、ミハ王子の身辺は落ち着かない。

侯爵子息を身代わりに立てられなくなったことに加えて、ハンティア王国に脅された経験がネックになり、公務への出席率はガタ落ち中。

確実に危険なら侯爵子息を名代にして、危ないかもしれないときは、危なくなったら侯爵子息に押し付け、安全な公務は1人で。

もうその方法は使えない。

婚約者が身代わりだったと知れ渡ったため、ミハ王子の婚約者になりたがる者は、社交界には1人もいない。

同時に、ミハ王子が狙われていることも知れ渡ったため、巻き込まれるのを恐れて、ミハ王子に近づく者もいない。

ミハ王子には、国王陛下につけられた側近以外に話し相手がいなくなった。

侯爵子息が裏切る前は、大人気だったのに。

潮がひくように、周囲から人が去っていく。

ミハ王子は、挽回する機会を探していた。


他の王族には安全な公務も、ミハ王子にとっては安全ではない、と認識を改められて、公務で外出する機会が減ったため、公務での挽回は難しい。


幼少のみぎりから、狙われてきたミハ王子は、学校に通わず、王城に先生を招いて、学習していた。

ミハ王子の側近は、学校に行ったり、ミハ王子といたり、と毎日楽しそうにしている。

ミハ王子は、側近から、学生の情報を聞くのが好きだった。

大人とは違う情報は、新鮮でどれも面白い。


魔力持ちの学生の間で、心霊スポット巡りと悪霊祓いが、流行っているときいて、ミハ王子も行きたいと頼んで、同行した。

面白かった。

怖がらせてきた霊を除霊により一掃し、そのことを他人に感謝されると、自尊心をくすぐられた。

ミハ王子は、心霊スポット巡りと悪霊祓いに夢中になった。

そして、ふと、思ったのだ。

除霊して、感謝され、認められる場所があることに。

ギンゴー王国の端っこの荒野と砦は、400年前から、死霊に悩まされている。

何度か除霊を試みるも、成功した試しがないので、諦めと共に放置されているが、もし、ミハ王子が除霊に成功したら?

ミハ王子は、思いつきに終わらせたくなかった。

この機会を逃したら、兄と比べて役に立たない王子というレッテルを剥がせなくなるかもしれない。

粘る王子に、側近が折れた。

今日の砦の悪霊祓いが実現したのは、ミハ王子の粘り勝ちである。

絶対に成功させる、とミハ王子は意気込んでいた。
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