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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

659.壁や、床と一体化するように、蓋をして作り出された空間を発見。自ら入ったのか、入れられたのか。入る前の生死はどうだったのかしら?

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上の階から見ていく方が行ったりきたりしなくて、いいのだけど、時間が経つと、下の階にいるときに悪霊祓いの方々と鉢合わせしないように、ね。

調べるのは、1階部分から。

ボクは、神気を出して、反応がないか見ながら、歩いている。

サブリーとユージュアルと手を繋ぎながら。

あまり広範囲に神気を出しても、ボクが、反応に対応できないと困るから、神気を出すのは、1メートル前方くらいまで。


ボク達は、1つの壁の前に立っていた。

この壁の奥に空間がある。

元々は、重くて頑丈そうな扉だった形跡があるの。

内側から閉めたか、外側から閉めたか。

壁と馴染んでいるから、探索を意識していなかったら、気づかなかった。

ボク達は、壁の前で、知恵を出し合う。

「壁を壊したら、倒壊する仕掛けとか、嫌だよなあ。」
とユージュアル。

「倒壊しかけたら、神気で巻き上げて、瓦礫を飛ばすの。瓦礫に紛れて、逃げるの。転移陣が作動しなければ、逃げられるの。」

「よし、開けてみよう。」
とサブリー。

「神気でボク達は包んだから、安心して。」

人力じゃ重くて動かない、取っ手もないから、魔法でこじ開けることにしたの。

扉と壁の隙間を押し広げるイメージで、サブリーとユージュアルが石の壁に隙間を作る。

扉と思っていた壁は、扉じゃなかったの。

石の板を嵌め込んで、蓋することで、空間を作っていた。

扉じゃなかったので、石の板を引き戸みたいに横へスライドさせて、中を見る。

空間の中は、空間を作ったときから、開閉されていなかったみたい。

形を保っているご遺体はなかった。

人は入らないけれど、小さい生き物は、隙間から入れた。

カサカサと虫が、何匹も這い回っている。

床には倒れ伏した人の形が幾つも残っていた。

死んでから、ここに入れられたのか、生きているうちにここにいたのか。

石の板をはめ込んだのは、中の住人が死ぬ前か、後か、ボク達にはわからない。

「この空間は、吸っていい空気か分からないから、見るだけにしておこう。」
とユージュアル。

賛成なの。見慣れない虫と仲良くしたくない。

「どう?魔導具はない。」
とサブリー。

「ボクの神気にも、反応しないの。」

「次、行こう。」
とユージュアル。

歩いていると、床が他より盛り上がっている場所に気づいた。

何箇所か、少し高めになっている。

目に見える範囲の2箇所。

サブリーとユージュアルが、境目の土や汚れを魔法で取り除く。

周りより高めになっているのは、石の板の上に床石を乗せていたから。

床石は、重石とカムフラージュかしら。

さっきの壁もどきで蓋をしてあった空間や、この床石の重ねている場所は、汚れきっていて、人が入った形跡がない。

悪霊祓いの方々は、砦の奥まで使う気がなかったのね。

荷物の置いてある場所は、心霊スポットを楽しむ方々が使う定番なのかしら。
そこそこ綺麗に保たれていた。

それとも、掃除させてから、使ったのかしら。


床石は魔法で横に退けて、石の板も魔法で浮かして外す。

2箇所から明かりが入ると、中が見やすくなった。

全部、見通せる訳ではないけど。

「仕掛けは、床下だと思うの。ボク達のいる場所と、床下は、気配が違う。」

「降りたら、上がれるかな?」
とサブリー。

「階段はなさそうだ。もし、ロープがあっても、今の俺達は、バラバラにならない方がいい。誰かを引っ張り上げている最中に転移するのはなあ。」
とユージュアル。

「神気で探ってみる。」
ボクは、2人に結果を伝える。
「反応有りなの。ボク達を引き寄せた原因は、床下にあるの。同じものが、心霊現象を引き起こすかまでは、見てみないと。」

「降りるか。今、解決しないと、次も、どこかで引っ張られたりしないとも限らないよな。縁が出来てしまったから。」
とユージュアル。

「降りよう。400年前の技術を体験しながら、見る機会なんて、なかなかない。」
とサブリー。

「空気が健康に悪そう。鼻と口は軽めでもいいから、覆っていこう。」
とユージュアル。

ボクの両手は、サブリーとユージュアルと手を繋いで、塞がっているので、サブリーとユージュアルが3人分の布を巻いてくれる。

「怪我をしないように、ふわっと神気で包んで降りるの。」

ボク達は、3人で一塊になり、蓋を外した床下に飛び込んだ。
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