フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

656.『今日限りだよ。』今しか出会えない魅惑の品を手にするために、信頼できる人の制止の声も、自身の心の中の躊躇いも捨て置いてしまうの?

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階下では、王子のダメ出しが終わり、話題が移っている。

「ミハ様のお力と法具があれば、成功するかと思いましたが、この土地の死霊は手強いですね。」

「他の場所では、うまくいったのだがな。この土地が綺麗になれば、我が国の長らくの懸念が晴れ、父上も、難しい顔をされなくなるに違いない。」

「では、もう1度、試してみますか?」

「ああ、そのつもりだ。最初の鉾では反応が無く、輪っかには反応があった。どうしたことか?」

「おそらく、法力の量が足りなかったのかと。」

「ここは、ミハ様に是非。」

「私がか?」

サブリーは、新しい会話を聞いて思った。

ミハ様と会話している相手に、ミハ様の側近臭がしない。

ミハ様相手に営業トーク?

「いや、死霊に襲われるのは。」

「ミハ様は王子ですから、危ないことは。」

先ほどの砕けた会話相手が止めに入っている。

「ミハ様ほどの魔力をお使いになれば、先ほどの威力の比ではありません。」

「長年の懸念を払拭されたいのでしたね?」

営業トークがミハ様の側近ごときにはびくともしない。

「今日、僕達は、ミハ様の魔力を使う予定はしていません。ミハ様の魔力を使うなら、1度戻って、各方面の調整をしないと。」

「調整していただいても構いませんよ。法具はもうお使いになれませんが。今後は独力でどうぞ。」

「法具を使えない?なぜだ?」

「貴重なものですから、我々も持ち出しは慎重にしております。ミハ様が本日お使いにならないなら、持ち帰りまして、2度とお貸しはしません。」

「持ち帰らなければ、よいではないか?」

「今回、ミハ様が悪霊祓いのために必要だと取り寄せたもの。
今日、今から、ミハ様が悪霊祓いに使わないと、契約違反にあたります。
契約違反者にお貸しすることはしておりません。」


ボク達3人は、階下の会話に耳を傾けた。

「悪霊祓いは、悪霊を作る原因になった側の子孫がしても、効果あるのか?」
とユージュアル。

「怒り狂わね?」
とサブリー。

「この流れだと、悪霊祓いしそうだよなあ。」
とユージュアル。

「反発は、さっきの比じゃないと思うの。」


「黄緑の光を出した法具を持ち出してきたのは、祓い屋か、宗教団体か、呪術集団か。」
とユージュアル。
「王子側の王子と側近より、世間を知っているやつだよな?」

「多分、王子に法具を使わせたいから、うんと言うまで粘るぞ。」
とサブリー。

「王子と側近しか悪霊祓いに参加していないのは、国の許可をとっていないから、かしら。」

「国の許可もなく、大人の目の届かない場所で、未成人の王子に魔力を使って法力をぶっ放そうとそそのかしている現場かよ。」
とサブリー。

「王子の魔力に秘密があるのかしら?」

「とりあえず、休憩が終わりそうだな。」

「御霊に群がられていた方のその後を誰も話さない。どうなったのかしら。」
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