フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

646.ベテラン傭兵団の二重契約。コーハ王国のフィリップ殿下と近衛別働隊、宿泊施設から逃げ出す。傭兵団が攻撃してこない代わりに、キミ達なの?

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明るくても、暗くても目立つ。

ボク達は、箱の中の羽毛なの。

捕まりそうになったら、ふわりとかわす。

宿泊施設を出たら、歩き出す間もなく、傭兵団が絡み始めたので、全員が、魔法を使い、スピードをあげて逃げている。

ボクは、神気をちょろちょろっと出している。

背に腹は代えられないもの。

神気の馴染みが良くて、ティリリ王国で、山を崩したりするのに使ったときの何倍も効果がある。

ベリウンヘルツ、この世ならざる神様の治めていた名残りが、今のボクには有り難い。
ボクの神気に呼応するかのように、土地の何かが反応しだした気がする。
土地に引きづられないようにしないと。

知らない土地で、決まり事が分からないまま使っているから、後が心配。

ガラン領内なら、パパランが一緒に遊んでくれたから、神気を使うのも慣れていて、心配いらなかった。

パパラン以外に、ウサギも遊んでくれた。

ガラン領の固有種ウサギは、肉食なの。

ボクの知らない誰かの首をガブッて噛んで、ブンブン振り回していたこともある。

『肉が食いやすくほぐれるんだ、やってみるか?』
とボクに聞いてくるから、
『人は食べない。』
と答えたの。

その後。
ガラン領の固有種リクガメに、
『肉は食わないのか、草を食え。食い終わったら迎えにくる。』
と野原に連れていかれた。

リクガメの言う草は、野菜じゃなく、茎が太くて固い木みたいだから、ボクは食べれなかった。

パパランが、探しに来てくれて助かったの。
パパランは、修行メニューを考えたから、試す、と言っていたけど、ボクが疲れて寝ていたら、お家に届けてくれた。

師匠とか、兄貴というだけあって、パパランはボクの面倒をたくさんみてくれる。

パパランに会いたいの。

神獣パパランをボクの横に呼んで聞きたいことがいっぱい。

でも、外国にパパランが飛んできたら、外交問題になるもの。

パパランの姿は、うぐいす色のワイバーンだからね。

呼ぶのは、我慢するの。

お父様、お兄様が、ご多忙になって、ボクと遊んでくださる時間が減ったら嫌だもの。


ボク達の宿泊施設から、港を目指すには、街中を通らないといけない。

最初に傭兵団に絡まれたのは、宿泊施設を出てすぐ。
コーハ王国勢を監視し、行動を制限するために配備されていたのかしら。
建物から出てすぐ囲まれた。

『建物内に戻れ。すぐに戻るなら、何もしない。』

ベテラン傭兵団は、コーハ王国は自分達の担当場所だとは主張しても、ボク達のための抵抗や手助けはしなかった。

どちらの傭兵団も互いに知っている様子なので、手荒なことをしない約束を交わしていたのかも。

ユージュアルが傭兵団に聞いた。
『コーハ王国に味方しないのか。傭兵団の契約の雇い主は、コーハ王国以外にいるのか?』
ベテラン傭兵団は、否定しなかった。

ベリウンヘルツと契約して、コーハ王国の担当になるように指示を受けた。

ベリウンヘルツとの契約は、周りの傭兵団と争わず、協力することが含まれている、と。

二重契約。

平時なら、問題にならなかった内容だから、受け入れた、と話していた。

国際会議の開催国ベリウンヘルツとの契約があったから、コーハ王国の担当の契約も安心して結べたと。

コーハ王国担当のベテラン傭兵団に、宣言した。
『人間を守れないなら、最低限、荷物は守れ。建物は封鎖して、誰も入れるな。戻って来て、荷物に異変があれば、弁償だけでは済ませない。』

道を通ると、傭兵団が壁になって妨害してくるから進めない。
こちらから手を出したら、理由を与える。
ボク達は全員、浮遊と飛行で建物の屋根を走って、跳んだり、飛んだりしている。

ボク達は、攻撃をしないから、傭兵団は、治安維持の大義名分を使えない。

王子と王女のいる建物の屋根あたりでそれは起こった。

オランジェリン王女以外の3人の王女と付き添いが、魔法を使って攻撃してきた。

ボクは、全員を先に行かせた。

彼女達は、フィリップ殿下やアンドリューのいる場所に向けては、攻撃しなかった。

狙いは、ボクなの?
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