フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

635.サブリー14歳、追う側として軍を率いた。22歳、追われる側に立ち、同僚と生きて逃げるために余念がない。追う側の経験が活きるよー。

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フィリスが15歳で近衛になり、新人研修として、初めて訪問した国でのトラブルに、ガラン家とベイモン家とノア家が派兵したとき。

サブリーとユージュアルは、それぞれ、外国の学校で、試験期間であった。

学校にベイモン家とノア家から、それぞれお迎えがきて、戦場に放り込まれた。

『試験をうけないと、進級ができない。』
と慌てるサブリーとユージュアルに、その手配は済んでいると答えた執事は、
『戦勝報告が単位認定されるように取り計らってあります。心置きなく行ってらっしゃいませ。』
とそれぞれの軍に、サブリーとユージュアルをパスしていった。

サブリー14歳。
ユージュアル13歳。

試験期間なのに、地理も風土も知らない国にいる。

軍の将校に、実施で指導されながらの実戦。

2人は、それぞれ、両軍の大将として、ガラン家当主ダルクの指揮下に入った。

溺愛する4男フィリスの待遇に、父ダルクは大変悲しみ、怒り、許さなかった。

許さなかったのだ。

完膚無きまで叩きのめした。

サブリーの率いるベイモン軍とユージュアルの率いるノア軍の仕事は、フィリスを痛めつけていた連中が国中に逃げているので、探し出して、ダルクに引き渡すこと。

国外に逃げたのは、ガラン家の権勢でもって、ガラン軍が回収している。

外国の軍隊が突然、山狩りや検問を実施するので、反発からの奇襲は多々あった。

どれに対しても甘い顔をしない。

協力者には、協力に見合う報酬を。

裏切り者には罰を。

対象は、生きていたり、死んでいたりしたが、そこそこの数、ダルクに引き渡せた。

フィリスから金を巻き上げたり、だまし取ったり、悪巧みに利用した者と、その者が得た利益により利益を得た者が対象だった。


当時は、追う側だった。

数日後には、追われる側になるだろう。

14歳当時、追う側として、軍で鍛えられた経験。
22歳の今、近衛になって、追われる側の班長だか、隊長をやることになるとは。

何がどこで役に立つのか、本当に分からないなあ、とサブリーは思う。

皆、先輩や後輩で同僚で、気のいい仲間だ。
サブリーは、今の別働隊を気に入っている。

ウィルソンも話しやすいし、好きだ。

フィリップ殿下は好きじゃないが、仕事だから、仕方ない。

皆で、無事に朝陽を見ることを目標にするとサブリーは決めている。

今日は、早めに切り上げて、休憩したら、日が暮れてからと、夜に散歩をしよう。

日中とそれ以外では、感覚も変わる。

そして、真っ昼間から襲撃には来ないだろう。

夜、寝静まった時間帯に逃げ出す練習はしておかないと。

ベテランの傭兵団が、襲撃に対して、どういった働きをするか、コーハ王国の外交団の脱出前には打ち合わせがいる。

近衛って、ハードな職業だ。
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