フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

633.知らないと気づけない。気づいたら知らない状態に戻れない。あっちにもこっちにもいる傭兵団。よく見たら、暗部っぽい、本職の裏方もいる?

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傭兵団がいる場所は宿泊施設だけにとどまらない。

明らかに戦場にいますという装いをしているわけではない。

彼らは、場所に馴染んでいる。

まるで、潜伏しているかのように。

係員や、護衛や、警護。

国際会議の会場に、色んな職業の人間が、その場限りの仕事のために集まっていたとしても、区別がつきにくい。

定期開催して、場所も参加者も固定の会議ならば、いつもと違う点は気づかれるだろう。

この国際会議は、企みをする人間にとって理想的かもしれない。

迎え入れられる方も初めての場所で、初めての経験、さらに1度きりのこと。

不便を感じても、そういうものと受け入れやすい。


周りの人を意識して見てみた。
一般人が少ない。

サブリーとユージュアルも気づくと思う。

アンドリューとクリストファーも気づけるかしら。

見極めは、実際のところを知らないと難しい。

ボクが見る限り、土地と建物の警護は傭兵団を混ぜているのではなく、傭兵団そのものが担っている。

護衛は、傭兵団が大半だけど、何人か暗部らしき本職の裏方が混じっているっぽい。

数少ない係員は、一般人だけど、係員には必ず2人以上の護衛がついている。

ボク達の周りは、傭兵団だらけなの。

国際会議の会場である建物の敷地の中にも外にも。

建物の中にも。

もっというと、王女御一行の部屋の中にも外にもいた。

オランジェリン王女以外の王女の付き添いや護衛に混ざっていた。

会場を提供しているベリウンヘルツの関与がいかほどかはわからない。

ベリウンヘルツが積極的に手を貸したのか、現状の黙認だけなのか。


ボク達は、王女方の引き止めにあったけど、興味が失せたと言って出てきた。

興味が失せたのだから、今日はおしまい。
ボク達が興味を持てる話題を提供しにきたら、話をきいてやるのもやぶさかではないと、ね。


オランジェリン王女は、3人の王女方が話し相手を指名したことで、指名されたフィリップ殿下とアンドリューの機嫌を損ねた、と受け止めたみたい。

切り上げられた理由ははっきりしているから、出直すようにと、3人の王女方をなだめていた。

話を聞いてあげるというボクに罵詈雑言を浴びせて、フィリップ殿下とアンドリューに擦り寄ろうとしたこと。
フィリップ殿下とアンドリューがボクを大事にしているから、よく思われなかった。
反省して、明日以降にするようにと。

オランジェリン王女は上の者としての振る舞いや気概はあるのね。

この場で、思慮深さは命取りだから、何も知らずにいる方がいい。

オランジェリン王女の周囲がオランジェリン王女に、他の王女方の情報を知らせないのは、オランジェリン王女の安全のためだと思うの。

だから、ボクもオランジェリン王女には気づかせずに、出ていく。

どの段階か、オランジェリン王女が何かに気づくことがあっても、サリウンマ帝国の方がなんとかする。

オランジェリン王女を守り、支えるのは、サリウンマ帝国の同行者のお仕事。

国際会議2日目。
今日のところは、敵の巣窟から、大手を振って、歩いて出ていく。

サブリーや、ユージュアルは、何かつかんだかしら?
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