フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

631.性的に襲う方じゃなく、襲われる方を王女方が厭う理由は?フィリスの考察

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3人の王女方が、ボクに嫌悪感を覚えるのは、王女方の意識が襲う方ではなく、襲われる方に向いているからではないかしら?

襲う方と襲われる方の両方が目の前にいて。

襲う方に敵意を向けたりや反発したり、憎悪するのではなく、襲われる方に嫌悪感を覚える王女方。

襲う方が敵として敵わない相手、もしくは、反抗的になりにくい相手。

襲われる方が、王女方に近い人物。王女の関心をひいてやまない人物。

王女方が手放したり、切り捨てにくい人物。

襲われる方を見たくない理由は、このあたりかしら?

見たくないけど、見てしまう理由は、襲われている人物の位置に、王女自身がいる未来を否定できないからかしら?


襲われる方は、王女方の身代わりになっているかもしれない人物。

襲われる様子を王女方に見せつけることで、王女方の思考や行動に制限をかけたのかしら?

ボクがフィリップ殿下に色々されているところを見ているときの表情は、恋人のじゃれ合いを見せつけられて目のやり場に困っているものではなかった。

襲われる姿を見せつけられて、不安になっている様子だったの。

王女と王女御一行の中で、王女の身代わりになれて、王女とその付き添いに対し、次はお前が襲われるというメッセージを与えられる人物を襲われる方に抜擢したのかしら。

王女に近い人物。側近か侍女か。

王女付きの貴族子女。


王女方の国がどの程度、予想したり把握していたのか分からない。

今回、ベリウンヘルツでの国際会議に出席した王女と王女御一行は、今後、母国の地を踏む日が来ない可能性がある。

無事に帰国しても、王女以外は、早急に人生の幕を下ろすことになるだろう。

王女自身、帰国後、幽閉や病死の可能性がある。

ベリウンヘルツでの滞在中の出来事が国に届けば、王女にも関わらず、下々以下の扱いに甘んじて、国の権威を傷つけたことが、後々問題になる。

他の王女の扱いを右にならえで低下させないためにも、ベリウンヘルツ滞在中の王女の扱いが悪ければ、苦情をいれたり、待遇の改善を要求するはず。

ただ、待遇が表沙汰にできないものであれば?

表沙汰にすると、国や、王女の威厳を損なうような待遇だった場合はどうするのかしら?



王女御一行の中で、王女の側近や侍女という立場の地位は王女に次いで高い。

会議に出席した王女方に優秀さが見て取れない、となると。

この国際会議に出席している王女御一行の2番手、3番手は、実質的に御一行のブレーン。

王女を支え、王女御一行を采配する大切な指揮官。

各陣営のブレーンが不在だったことは、初日、出席者の会話が弾まず沈黙が続いた理由にならないかしら。

3人の王女方と顔を合わせて話してみて分かったこともある。

ここが潮時。

これ以上、ボク達は、王女方の事情に詳しくならなくてもいい。

3人の王女方にこれ以上話をさせても、自分達の窮状の話題から、助けを求められるだけ。

王女方からいくら話を聞いても、ほしい情報は手に入らない。

情報に対する意識付けが違いすぎる。
ボク達の求めるレベルに見合った情報に接していても、王女方は、情報として受け取り、処理する能力が低すぎる。

王女方と話しても、
この事態を仕組んだ黒幕どころか、実際に手配したものにさえたどり着けない。

ボク達に得るものがないのに、深みに潜る必要はない。

こちらの王女方では、国同士の貸し借りにもならない。

王女と王女御一行に対して不当な扱いを受けたにも関わらず、王女自らが立ち上がらなかった。

赤の他人の他国の王子や貴族子弟に声をかけてもらえるまで、不当な扱いに甘んじていては、王女の自覚と資質が足りなさすぎる。

助けられるには、助けるに足るものがないと。
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