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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

622.フィリス、別働隊総司令として、全体へ指示。フィリップ殿下と別働隊は、国際会議で探りを入れる。ウィルソンは、応援要請。脱出準備は常に。

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フィリスが、サブリーとユージュアルに確認する。

「娼婦派遣業の元締めは、引き際の分かる方?」

「ああ。俺達がコーハ王国の近衛だと知る前も後も慎重だった。」
とユージュアル。
「俺達と接点を持ったことで、逡巡はしていたが、敵対しない選択をした。」

「口封じを選ぶことも出来るから、迷ってはいたけどな。」
とサブリー。

「俺達に対して、違反にならない程度の情報を提供し、提供した事実を傭兵団に知らせに行くぐらい、現実を見ている。」
とユージュアル。

「勝ち馬に乗る。泥舟にからは逃げる。権力者に寄り付かない。」
とサブリー。
「戦場に生きる平民の知恵だな。」

「権力者に寄り付かないのが?」
とウィルソン。

「戦場の権力者は、平民の味方じゃないからな。」
とサブリー。

「傭兵団の戦況が不利になれば、元締めは、女性を引き上げて脱出するが、元締めのところの女性は、非戦闘員だ。」

「1人も攻撃するなよ。」

「非戦闘員として、戦場から脱出させる保険に、元締めは情報を出した。」
とユージュアル。
「徹底しろ。」

「娼婦から情報を取ろうとするな。」

「非戦闘員への攻撃は、向こうへ付け込む隙を与える。」

「非戦闘員への攻撃は、他の非戦闘員への危機感を高めて、敵でなかったものに動機を与える。」

「娼婦に攻撃したら、俺達にとどめをさされることを覚悟しておけ。」

「傭兵団に派遣されているお姉さん達は、貴族や軍の将校の愛人とは違うんだよ。プロのセックスワーカーだから、セックスして性欲解消させるのがお仕事。」
とサブリー。
「愛人とは違う。
寝た男の秘密を溜め込む努力はしない。
男に囲われるのが本業じゃないからね。
女性達が顧客の秘密を持っているとしたら、早漏か遅漏か、特殊性癖か、といった自身の仕事に直結する情報だ。」

「傭兵団の団員の下半身事情に詳しくなっても、なんの足しにもならない。」
とユージュアルは、念押しする。
「女性や女性の所属する集団を下世話な好奇心で追い詰めたとして、多くの傭兵団や娼婦を扱う組織から警戒されたり、敬遠されたり、とデメリットしかない。」


「一同、理解した?」
とフィリス。
「元締めの動きは、戦況の目安になるの。時々、見ることとする。」

「開戦時期と、向こうの目的を探れる先は、現状、国際会議のみなの。」

「明日からの予定。」
とフィリスは全員に話し続ける。

「フィリップ殿下と別働隊は、国際会議場で、積極的に行動して、目立ちつつ、手がかりを探す。」

「ウィルソン達は、宿泊施設にいて、ウィルソンのお家への海軍派遣要請と、コーハ王国本国への支援要請を始めて。」

「ボク達も安全第一。
危なそうなら怪我する前に逃げる。
撤退、脱出準備は常に。
携帯食や飲み物は、一食分は必ず全員が携帯。」

「この建物は、外敵に弱く、籠城に向かない。
荷物は守らなくていいの。
敵に動きがあれば、動きを阻害されないものを持って、包囲される前に、全員脱出。」

「最寄りの港を目指すとわかり易すぎる。
2番目に大きい港を目指す。
ウィルソンのお家の海軍は最寄りの港から、海兵隊を上陸。
2番目の港には国の海軍を寄港させる手配をして、ウィルソン。」

「少人数だから、港を目指すことに全力を出して。接敵したら、戦闘になる前に全速力で逃げる。」

「向こうは、頭数が多い。怪我くらいじゃ、次々湧いてくる。基本的に戦闘は回避して、ここぞ、というときに追跡されないように消す心積もりで。」

「今日は、まだ、向こうの準備も整っていないことだから、安心して休むの。全員ね。」

「明日も、全員で情報共有してから休む。」

「解散。」
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