フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

620.報告。2番手サブリーとユージュアル。元締めの仮事務所から無事に帰ってきた。お姉さんの買収は出来なかったけど、元締めとお話してきたよ。

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続いては、街中を散策していたサブリーとユージュアルの報告。

2人は、娼婦派遣業の元締めの仮事務所から無事に帰還している。

なんでなんで攻勢の後に、偉い人に交代したら、教えてくれるかもと話し出して、偉い人を呼ぶか、偉い人のところに連れていくかどっちがいいか?と元締めに迫った。

元締めは、仕事で、娼婦を契約先に派遣している。

契約先は、断定しなかったが、契約先の標的だろう相手を注意喚起という形で事前に通知してきた。

標的を聞いていながら、標的の一部を招き入れ、接点を持ってしまった。

下っ端なら、苦しい言い訳ではあるが、偶発的事故で押し通せる。

しかし、標的の中でも、公爵だとか、侯爵だとか、身分の高いお貴族様と接点が出来たら、情報を売ったと解釈され、信用は吹っ飛び、報復で皆殺し。

殺して捨てるか、懐柔するか。

元締めは、サブリーとユージュアルの懐柔に努めた。

能天気な貴族子弟2人くらい、殺して捨てるのは簡単だ。
問題は、その後、公爵や侯爵が出てくるとなると、国が動く可能性が高い。

傭兵団相手に、娼婦を派遣している元締めでは、コーハ王国の相手は厳しい。

傭兵団は仕事を請け負っただけ。

傭兵団に落ち度はない。

傭兵団に助けろと言うことは、依頼になる。

元締めの失点で、傭兵団が有利に立つ未来はよろしくない。

厄介な2人は懐柔して、平和的にお帰りいただくのが1番。

2人は、丁重にもてなされて帰ってきた。

元締めの判断は賢明だった。

サブリーとユージュアルに何かあれば、ベイモン家とノア家が金も軍も出して、草の根分けても探し出してくれる未来が約束されただろう。


2人は報告した。

街中に滞在中の傭兵団は、複数あるが、どこもイベント専門ではない。

護衛や警備が専門でもない。

どの傭兵団も、戦闘を得意としており、実際の紛争や小競り合いで活躍している。

街中の建物の作り変えが開始された時期は、コーハ王国が国際会議へ参加すると最初にベリウンヘルツへ連絡した直後から。

元締めは、紛争地域で活動する傭兵団に娼婦を派遣する商売をしている。

派遣先を限定して特化している。

娼婦が非戦闘員として、戦闘に巻き込まれないようにするため、紛争地域で活動する傭兵団は丸ごと顧客に取り込む営業スタイルを貫いている。

つまり、ベリウンヘルツを舞台にした戦闘が近々起きるというということだ。

国際会議の出席者自身の意向は分からない。

出席者が滞在するどの建物の敷地にも、傭兵団が出入りしていた。

建物自体に、戦闘に耐えられるような補強や改造の跡があった。

サブリーとユージュアルは、ウィルソンに提案した。

「ウィルソンの家の海上艦隊を沖合いに停泊させて、海から攻撃してから、海兵隊を上陸させる作戦がいいと思う。」
とユージュアル。

「コーハ王国船籍は、妨害にあって、ベリウンヘルツまで来るのに時間がかかるから、アテに出来ないと思った方がいい。」
とサブリー。

「具体的な提案の理由を聞きたい。」
とウィルソン。
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