フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

602.セドリックに見つかったの。『ボクは、白状することなんて、ないので、質問はなしで。』ジーンが質問モード全開で、ボクはお困り中。

「セドリック。ボク、白状することなんて、ないの。」
ボクは、セドリックに背中を押されて前に進んでいるけど、セドリックの手を外そうと鋭意努力中。

別働隊幹部の皆が、ニコニコしながら、こっちを見ているの。

セドリックがボクをびっくりさせなければ、気づかれなかったはずなの。

ボク、あの輪の中に入る用事はないの。
セドリック、ボクの意向を聞いてはどうかしら？


セドリックに押されながら、ボクは別働隊幹部の輪の中へ。

逃げ場がないの。

「フィリス。」
とジーン。
「このメモは？」

「秘密なの。」
目をそらしたいのに、そらしたら別の誰かと目が合ってしまう。

「秘密はなし。各人の特徴を書いているな？」

「うん。」
ジーンの質問に答えないのは、良くないけれど、聞いてほしくないの。

「何のために？」
答えたくないときは、回答をすり替えるの、ボク。
「カッコいいなあ、と思って。」　
そーなんだ、で終わるはず。

「フィリス、何のために？」
と繰り返すジーン。

誤魔化されてくれないの。
仕方ない。
「カッコいいところを書いておくの。」

「フィリス、何のために？何に使おうとしている？」
とジーン。

ジーン、そこは、カッコいいところが、こんなにあるのか、とか会話を繋いでいってほしいの。

「カッコいいところが、いいなあ、と思って、なの。」

「フィリス、使用用途を話しなさい。」

使用用途は、話せないの、ジーン。
話したら、使えなくなるでしょ。

それにしても、使用用途がない、なんて答えても、国際会議の本番で使えなくなる。
どうしようなの。