フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

595.うさぎ団が傭兵団なのは、ボクの稼ぎで養えないからなの。ゴウは笑った。『人間を飼うには、金がかかります。自分達で食い扶持を稼ぎます。』

侯爵子息からの情報を精査したところ、王子は確かに狙われているが、侯爵家も侯爵子息もぱっとしないので、婚約者云々は、確認出来ずじまい。

侯爵子息の話では、王子が、隣国のハンティア王国いたことになるけれど、今は自国にいると確認がとれたの。

ハンティア王国は、タマキが異世界転移した場所。ゴウは元気にしているかしら？
ボクのうさぎさん。

ゴウ達のうさぎ団をボクの私兵にするにあたり、ボクの稼ぎだけでは難しいということで、傭兵団として、ゴウ達自身にも稼いでもらうことになった。

だから、会いたいときに、いつでもは、会えないの。
ボクのもの、と公表しない。
ボクからは連絡をとらない。

お互いのために。

初期費用は、ゴウと出会うきっかけになった新人研修の参加者と関係者からの賠償金や、お詫びでまかなえたけれど、継続的に同額のお金を捻出するのは、ボクには難しい。
『人間を飼うにはお金がかかるんです、坊っちゃん。坊っちゃんとの縁を大切にしたい。上納金がない分、楽なので。』
と前向きに傭兵団の団長になってくれたゴウ。

ボク、スタートから役付きなので、給料アップは最初から天井が見えている。

ゴウとの縁が細くても長く続いてほしいから、傭兵団のオーナーという立場は、ずっと続けたい。

ゴウとうさぎ団の異世界転移者は、タマキと同じくボクの人的財産の契約はしたけど、登録はしていない。


外国での新人研修にボクと共に参加した近衛は、全員いなくなったの。

新人研修は、全員参加ではなかったらしく、行かなかった新人はまだ何人かいる。

訪問先は、あまり近衛の評判が良くないから、行かなかったと後日聞いたの。

ボクの配属先は、ボク以外いなくなってしまったから、ジーン、シドニー、ラウル、エスターがボクの教育係として、19歳の独り立ちまで一緒にいてくれた。

よく考えてみると、近衛になってから、ラウルやジーン達と一緒じゃなかったのは、新人研修以前と、19歳で独り立ちして、ダンシェル達の班長をしたときだけ。

ボク、お世話になりすぎ、かしら。

ボク、お礼にお世話しよう。