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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!
589.セドリックが振り返る別働隊幹部への道。その2。セドリックとフィリスの出会い。2人は、名乗り合わないまま、話すようになった。
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ガラン子爵家のデヒルは、有言実行の男だった。
13歳のセドリックの目から見ても仕事のできる頼もしい大人で、王太子が信頼し、頼りにしたくなる気持ちがよくわかった。
第4王子の側近2人のそれぞれの兄達を公爵家の後継ぎから引きずり降ろし、兄達や公爵家の私兵のように振る舞っていた近衛をまとめて、ガラン子爵家とは違う辺境の戦力として放り込んだ。
『残りの人生は戦力として働け。生きている内に、差し引きゼロになる見込みがなければ、戦力以下になる覚悟をしろ。』
とデヒルは送り出した。
デヒルは、近衛騎士団の団員の調査を指示。二心あると判明した近衛は全員、人生を終わらせることとなった。
デヒルの話しに出ていた、末弟のフィリスは、戦闘能力皆無で、本人の適性もないのに、公爵家の私兵と化した近衛が、第4王子の暴挙を助けたため、15歳の新人近衛でなんの知識も持たないのに、第4王子の護衛筆頭という肩書きがついたと聞かされた。
フィリスは、近衛の職場からは、敬遠されていた。
フィリスの長兄デヒルが、近衛改革として積極的に大鉈を振るうことに反発する者。
フィリップ殿下の贔屓で、苦労知らずのまま近衛になり、肩書きも持っているフィリスが気に食わない者。
面倒事に関わりたくない者。
貴族社会でも、フィリスの評判は地をはっていた。
第4王子フィリップ殿下の求愛と引き換えに近衛になり、護衛筆頭の肩書きを得た癖に、殿下を拒絶した悪女のような男。
適齢期の貴族子女や、その親兄弟にとって。
フィリスは、たかが子爵家の4男でありながら、王子を誑かすほど、いかがわしく不潔であり、自国の王子を利用することも厭わないねじ曲がった根性をしている男だった。
事実は、さておき。
フィリスは、第4王子との結婚を夢見る貴族子女の恋敵だ。
適齢期の貴族子女の親兄弟にとっては、王子と娘の結婚による、親兄弟の出世や家はの勢力拡大の道を閉ざした男。
近衛は、貴族子弟、子女の職場である。
セドリックがフィリスと出会った時。
セドリックは、その日、たまたま王城の近衛の区画に立ち寄った。
フィリスは、大きな布に包まれて泣いていた。
当時、フィリスは、毎日、布妖怪オリベに包まれて、泣いていた。
布妖怪オリベは、フィリスが辛くなるとどこからともなく、やってくる。
コーハ王国の王城は把握したらしい。
辛かったら、帰ってこいと父や長兄デヒルに言われていたが、フィリスの15歳までの人生で、無邪気でいられた時間は、4歳の襲撃事件で終わっている。
フィリスは、泣きながらも、逃げようとしなかった。
この場所で武官として生きていくのが、ボクの人生なの。
踏ん張らなくちゃ。
フィリスは、大きな布に包まれて、涙をこぼし、体を震わせていた。
その日を境に。
セドリックは、時間を作って、フィリスに会い、体の動かし方や、武器の持ち方といった基本的なことを1つ1つ教えた。
近衛の新人なのに、フィリスは職場で、指導を受けていなかったのだ。
頻繁に会っているうちに、
『誰も彼も、ボクには関わりたがらない。毎日、雑用を申し付けられて、1人でこなしている。』
とフィリスはセドリックに打ち明けた。
『1人で全部するの。1日目は、何をしたらいいか、わからなくて。今も、全然終わらないから、毎日お叱りを受けるの。』
セドリックは、直接デヒルに伝える手段を持っていなかったから、周囲に報告した。
セドリックはフィリスに名乗ったりしなかった。
フィリスにとって、セドリックは、王城に遊びに来る貴族の子ども。
2人は、互いに名乗りあうことなく過ごした。
それから、暫くして、フィリスは、外国で行われる新人研修に参加することになったと、セドリックに話をした。
環境が変われば、人も変わるかもしれないとセドリックは、期待して、フィリスを送り出した。
環境が変われば、人は変わるが、期待通りには変わるとは限らない。
国外にいたら、王太子と懇意にしているデヒルが、近衛のことにしゃしゃり出ることが出来ないだろうと、彼らは考えたらしい。
彼らは、国外でたがを外した。
13歳のセドリックの目から見ても仕事のできる頼もしい大人で、王太子が信頼し、頼りにしたくなる気持ちがよくわかった。
第4王子の側近2人のそれぞれの兄達を公爵家の後継ぎから引きずり降ろし、兄達や公爵家の私兵のように振る舞っていた近衛をまとめて、ガラン子爵家とは違う辺境の戦力として放り込んだ。
『残りの人生は戦力として働け。生きている内に、差し引きゼロになる見込みがなければ、戦力以下になる覚悟をしろ。』
とデヒルは送り出した。
デヒルは、近衛騎士団の団員の調査を指示。二心あると判明した近衛は全員、人生を終わらせることとなった。
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フィリスは、近衛の職場からは、敬遠されていた。
フィリスの長兄デヒルが、近衛改革として積極的に大鉈を振るうことに反発する者。
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面倒事に関わりたくない者。
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フィリスは、たかが子爵家の4男でありながら、王子を誑かすほど、いかがわしく不潔であり、自国の王子を利用することも厭わないねじ曲がった根性をしている男だった。
事実は、さておき。
フィリスは、第4王子との結婚を夢見る貴族子女の恋敵だ。
適齢期の貴族子女の親兄弟にとっては、王子と娘の結婚による、親兄弟の出世や家はの勢力拡大の道を閉ざした男。
近衛は、貴族子弟、子女の職場である。
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セドリックは、その日、たまたま王城の近衛の区画に立ち寄った。
フィリスは、大きな布に包まれて泣いていた。
当時、フィリスは、毎日、布妖怪オリベに包まれて、泣いていた。
布妖怪オリベは、フィリスが辛くなるとどこからともなく、やってくる。
コーハ王国の王城は把握したらしい。
辛かったら、帰ってこいと父や長兄デヒルに言われていたが、フィリスの15歳までの人生で、無邪気でいられた時間は、4歳の襲撃事件で終わっている。
フィリスは、泣きながらも、逃げようとしなかった。
この場所で武官として生きていくのが、ボクの人生なの。
踏ん張らなくちゃ。
フィリスは、大きな布に包まれて、涙をこぼし、体を震わせていた。
その日を境に。
セドリックは、時間を作って、フィリスに会い、体の動かし方や、武器の持ち方といった基本的なことを1つ1つ教えた。
近衛の新人なのに、フィリスは職場で、指導を受けていなかったのだ。
頻繁に会っているうちに、
『誰も彼も、ボクには関わりたがらない。毎日、雑用を申し付けられて、1人でこなしている。』
とフィリスはセドリックに打ち明けた。
『1人で全部するの。1日目は、何をしたらいいか、わからなくて。今も、全然終わらないから、毎日お叱りを受けるの。』
セドリックは、直接デヒルに伝える手段を持っていなかったから、周囲に報告した。
セドリックはフィリスに名乗ったりしなかった。
フィリスにとって、セドリックは、王城に遊びに来る貴族の子ども。
2人は、互いに名乗りあうことなく過ごした。
それから、暫くして、フィリスは、外国で行われる新人研修に参加することになったと、セドリックに話をした。
環境が変われば、人も変わるかもしれないとセドリックは、期待して、フィリスを送り出した。
環境が変われば、人は変わるが、期待通りには変わるとは限らない。
国外にいたら、王太子と懇意にしているデヒルが、近衛のことにしゃしゃり出ることが出来ないだろうと、彼らは考えたらしい。
彼らは、国外でたがを外した。
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