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第5章 コーハ王国の近衛には、わがまま姫がいる。フィリス・ガランという子爵家子息。コーハ王国のイイ男を侍らせて、手玉にとっているらしいよ?
569.フィリスが悲しみにくれている姿を見たマーゴット。「お兄様を泣かせて、のうのうと生きていけるなんて、甘えた頭を叩き直します。」
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フィリス、サブリー、ユージュアルの3人は、ティリリ王国から帰国して、人生最大のモテ期を迎えていた。
お飾りと背中のぬいぐるみリュックが標準装備になった3人は、王城の中で、時の人となっている。
女の人に呼び止められて喜べたのは2回目まで。
だって、皆、お飾りにしか興味がない。
ボク達のこと、見えていないの?
女性達は、3人の頭上のお飾りと背中のぬいぐるみリュックを鑑賞して、満足いくと、去っていくか、行ってよし、と3人を送り出してしまう。
女の人に呼び止められるのに、女の人と会話していない。
3人は、悲しみのあまり、隅っこでいじけている。
別働隊の幹部達は、家柄良し、見た目よし、能力高し、為人も問題なし、ときている。
モテるのが日常の人達に、3人の悲しみは伝わらなかった。
「あら、可愛い3人さん。」
「今日は、おリボンがギザギザで重ねていくタイプですわ。」
「ご覧になって。お背中の雛鳥と合わせてあります。」
「あら、でしたら、今回のお飾りデザインは、侯爵家ですのね。」
「わたくし達も、お背中とセットにしたいですわね。」
フィリス達3人が元気をなくしていると、マーゴットが王城に来るからおいでよ、とハーマルから連絡があった。
大好きな妹のマーゴットに会いたい。
会いたいけれど、お飾りとぬいぐるみつきの姿じゃ会えない。
だって、ボク、カッコいいお兄様になれていないもの。
フィリスは、マーゴットの名前を呼びながら、ぐすんぐすんと泣いている。
フィリスが部屋から動かないので、サブリーとユージュアルも仲良く籠城。
ラウルがフィリスを抱き上げて、逃げようとしたサブリーとユージュアルをリッチェルとアランが確保。
逃がさないように、サブリーとユージュアルも抱っこ。
悲しみのあまり涙で周りが見えないフィリスはともかく、サブリーとユージュアルは冷静である。
「抱っこ、なし。」
「下りる、歩く。」
と2人は抵抗したが、聞き入れて貰えず、抱っこのまま王城へ。
泣き続けるフィリスを見たマーゴットは、ソファに下ろされたフィリスの隣に腰を下ろした。
「お兄様。マーゴットです。何を悲しんでおられるのか、わたしに教えて下さいませ。一緒に解決しましょう。」
マーゴットの言葉にフィリスは更に涙が止まらない。
「ボク、マーゴットのお兄様なのに、カッコよくないの。お飾りとぬいぐるみがついているボクなんて、誰も見ていないの。」
話を理解したマーゴットは、にっこりした。
「ご安心なさってください。お兄様の憂いは、わたしがいつでも払ってさしあげましたでしょう?」
とマーゴット。
「該当者は、生まれてきたことを後悔させておきます。」
「マーゴット、待って。際限ないから、消すのはなしで。」
とハーマル。
「サブリー、ユージュアル、お兄様を悲しませた者の名前や特徴、遭遇した場所は?」
とマーゴット。
「お兄様を悲しませておきながら、気楽に生きていけるわけがない。そうね?」
サブリーとユージュアルは、ハーマルをチラチラ見ている。
「答えていいのか?」
「答えないと、俺達がヤバい。」
とヒソヒソ。
「「ハーマル、助けて。」」
「マーゴット。貴族のご婦人方やご令嬢方については、サブリーとユージュアルから聞いて、俺から、根回しする。」
とハーマル。
「そう。なら、別働隊の幹部以下、近衛本隊の手が空いている者を呼べるだけ、呼び出してくださる?広い場所もおさえてくださいませ。」
とマーゴット。
「お兄様を泣かせて、のうのうと生きていけるなんて、甘えた頭を叩き直します。」
お飾りと背中のぬいぐるみリュックが標準装備になった3人は、王城の中で、時の人となっている。
女の人に呼び止められて喜べたのは2回目まで。
だって、皆、お飾りにしか興味がない。
ボク達のこと、見えていないの?
女性達は、3人の頭上のお飾りと背中のぬいぐるみリュックを鑑賞して、満足いくと、去っていくか、行ってよし、と3人を送り出してしまう。
女の人に呼び止められるのに、女の人と会話していない。
3人は、悲しみのあまり、隅っこでいじけている。
別働隊の幹部達は、家柄良し、見た目よし、能力高し、為人も問題なし、ときている。
モテるのが日常の人達に、3人の悲しみは伝わらなかった。
「あら、可愛い3人さん。」
「今日は、おリボンがギザギザで重ねていくタイプですわ。」
「ご覧になって。お背中の雛鳥と合わせてあります。」
「あら、でしたら、今回のお飾りデザインは、侯爵家ですのね。」
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逃がさないように、サブリーとユージュアルも抱っこ。
悲しみのあまり涙で周りが見えないフィリスはともかく、サブリーとユージュアルは冷静である。
「抱っこ、なし。」
「下りる、歩く。」
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「お兄様。マーゴットです。何を悲しんでおられるのか、わたしに教えて下さいませ。一緒に解決しましょう。」
マーゴットの言葉にフィリスは更に涙が止まらない。
「ボク、マーゴットのお兄様なのに、カッコよくないの。お飾りとぬいぐるみがついているボクなんて、誰も見ていないの。」
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「ご安心なさってください。お兄様の憂いは、わたしがいつでも払ってさしあげましたでしょう?」
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「マーゴット、待って。際限ないから、消すのはなしで。」
とハーマル。
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「答えていいのか?」
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とヒソヒソ。
「「ハーマル、助けて。」」
「マーゴット。貴族のご婦人方やご令嬢方については、サブリーとユージュアルから聞いて、俺から、根回しする。」
とハーマル。
「そう。なら、別働隊の幹部以下、近衛本隊の手が空いている者を呼べるだけ、呼び出してくださる?広い場所もおさえてくださいませ。」
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