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第5章 コーハ王国の近衛には、わがまま姫がいる。フィリス・ガランという子爵家子息。コーハ王国のイイ男を侍らせて、手玉にとっているらしいよ?

568.異世界人の男子高校生タマキが持つ異世界の知識を役立ててみよう。フィリスの神気を神気とバレずに、人らしく魔法を使うには?

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タマキは、使用人としてのんびり特訓している。
「フィリスだ。お帰り。」
「タマキ、とても元気そう。」
とフィリス。

「フィリスのところに来てから、健康的だからなあ。」
とタマキ。食べて、寝て、労働して一日が終わる。

「フィリス、なんか元気ないなあ。どうした?」
とタマキ。

フィリスはマーゴットと特訓して帰ってきた。
フィリスには、人の魔法を使うことが出来なかった。
一心不乱に、神気を偽装する練習をしたのだが、全く偽装できずに疲れて帰ってきた。

「神気をなんとか、人っぽく偽装して魔法を使いたいんだけど、できなくて。」
としょんぼりするフィリス。

マーゴットはずっと練習に付き合ってくれて、ご飯の手配も着替も用意してくれていた。

フィリスは、練習だけに集中したのだが、何にもつかめずに王都に戻ってきた。

マーゴットは、まだまだ付き合うと送り出してくれたが、兄としてカッコいいところを見せたいフィリスには辛い。

「神気って、神様のものだから、人のものとは根本的に違うんだろう。」
とタマキ。
「偽装じゃなくて、変換したら?」

「変換?」
とフィリス。

「地球の日本にいたとき、住んでいる場所によって、家電製品の電圧が違うことがあるから、元いた場所とは、違う場所で使いたいときに、変圧器を使うってネットで見た。」
とタマキ。
「神気を人の気に変換できないかな?人の気に変換してから、人の魔法を使ってみたら?」

フィリスは、元気を取り戻した。
「ありがとう。タマキ、人の気がどんなものかを調べるところから始めて、その方法を試してみたい。」

「というか、フィリスは、人間じゃないのか?」
とタマキ。

「人間よ。加護をもらったら、人の魔法が使えなくなったの。」
とフィリス。

「それは、便利になってんのか?不便になってんか?」
とタマキ。

「使えなくても生活には困らないの。基本的に、魔法は使わないようにしているもの。ボクの神気は、人にはわからなくても、人外にはわかるって分かったから、どうにかできないかと試行錯誤してみたんだけど、うまくいっていないの。」
とフィリス。
「危ないこともあるから、魔法を人前で使えるようになりたい。」

「フィリスのお家、お金持ちだって、言っていたもんな。」
とタマキ。

「お金持ちで、神様の力を使えるなんて、バレたら、捕まるよなあ。」
とタマキ。

「捕まるのは嫌なの。」
とフィリス。

「フィリスが捕まるとオレも嫌だ。練習に付き合う!」
とタマキ。
「今こそ、地球の知識を総動員してみせる。」

「でも、すぐには思いつかないから、おいおい。」
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