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第5章 コーハ王国の近衛には、わがまま姫がいる。フィリス・ガランという子爵家子息。コーハ王国のイイ男を侍らせて、手玉にとっているらしいよ?
566.後手にまわると、巻き返しや追い上げが大変。姫呼びについて、後輩3人が暗躍。気づいたフィリスは、止めさせようと奮闘するけども?
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思考と活動を停止してしまったフィリス達3人と対照的に、ダンシェル、ロウウェル、レイモンドは、精力的に動いていた。
「フィリスの呼び名を姫にしたいと思うんだけど、違和感ある?」
とロウウェル。
「姫?いいんじゃね。」
「姫、まんまだろ。ひねらなくていいのか?」
「姫だな、とは前から思っていた。」
「改めて言われたら、姫にしか見えない。」
心身を起動し直した3人は、後輩3人がいないことに気付いた。
どこ行った?
探してみると、広めの会議室から、賑やかな声がする。
会議室?
会議すること、ある?
入ってみよう。
「入るぞー。」
と入ってみたならば。
「姫、お帰り。」
「姫、大変だったんだって。」
「姫、頑張ったんだって。」
「姫って、言いやすい。」
「問題ない、姫、決定。」
巻き起こる『姫』コール。
「姫は、終わったの。ティリリ王国で、姫役だっただけなの。」
とフィリスは会議室に集まった隊員に説明した。
何事?
フィリスは、会議室の中に後輩3人を見つける。
「ダンシェル、ロウウェル、レイモンド。」
フィリスが叱れる上司だ。
部下にきっちり話をしなくては。
「フィリス。呼び名は、姫で問題ないから、今日から姫な。」
とロウウェル。
「何を言っているの、ロウ。ボクはお姫様じゃないの。ね?」
とフィリス。
「帰国したら、別働隊の隊員に意見を聞くことにしていただろう?呼びやすいし、間違えないし、違和感ないから、フィリスは姫な。」
とダンシェル。
「違和感しかないの。」
とフィリス。
何を言っているの、この子。
「聞き取りした範囲だけど、コーハ王国では、呼び名が、姫の人はいないから、間違われることもない。」
とレイモンド。
「これから、出てくると思うの。ボクが姫だと困る方が。」
とフィリス。
少なくとも、フィリスは絶賛お困りである。
姫呼びの話題なんて、すっかり忘れていたので、フィリスは、なんの根回しもしていない。
「後から出てきて、フィリスの姫呼びに文句つけるような人間は、悪役令嬢とか、悪役令息と呼ぶから、フィリスは気にしなくていいよ。」
とレイモンド。
気にするところだと思う。
姫呼びを求める方がいたら、進んで進呈し、フィリスは、姫の呼び名を辞退もしくは、譲りたい。
「ボク、姫、じゃないのが、いいの。」
とフィリス。
ダンシェル、ロウウェル、レイモンド以外に訴えて、姫呼びを撤廃しなくては。
「えー。無理。姫に姫以外はないから。」
とロウウェル。
「帰国したら、別働隊で意見募る話になっていただろう?意見を募った結果、姫になったから。これからは、俺の姫、な。どこでも姫、と呼べる。」
とダンシェル。
後輩3人組にはティリリ王国で1度負けている。
ここは、別の相手を味方につけないと。
「レイモンド、3人以外の意見は?姫じゃない方がいい意見だって。」
「なかった。」
とレイモンド。
「え?」
「全会一致で、姫呼び確定した。」
とレイモンド。
「冗談でしょ?皆、冷静に考えて。ボクは、23歳の成人男性。お姫様とは、真逆なの。」
とフィリス。
「フィリスの考えるお姫様って、どんなもの?」
とレイモンド。
フィリスはうーんと考えた。
「気品があって、誇り高い方かしら。」
「ぴったりだね。」
とレイモンド。
「え?」
「フィリスこそ、姫、ということで、会議をしめたいと思う。」
とロウウェル。
「異議なし。」
とダンシェル。
「待って。異議あり。ボクは、異議あるの。」
とフィリスは急いで口をはさむ。
「フィリスは、呼ばれる側だ。呼ばれている内に慣れる。」
とダンシェル。
「慣れないから、返事しないと思うの。」
とフィリス。
「大丈夫。姫なんだから。」
とダンシェル。
「大丈夫な点は、どこにも見当たらないの。」
とフィリス。
その時、1人が声を張り上げた。
「姫、姫、ちょっと、聞きたいことが。相談に乗ってー。」
「もう。ボクは、姫じゃないの。姫じゃないって言っているの。待ってて。そっちに行くの。」
とフィリスは、歩み寄る。
「やっぱり、姫で合っているじゃん。よし、姫に決定。」
とロウウェル。
はっとして、フィリスは足を止めた。
ユージュアルとサブリーを振り返る。
「姫と呼ばれて、普通に返事して、受け答えしていたな。」
とユージュアル。
「誤魔化しが効かないくらいに自然だった。」
とサブリー。
「しまったの。ティリリ王国での姫呼び生活が馴染んでいたの。無意識に、返事してしまったの。」
とうなだれるフィリス。
「馴染んでいるなら、問題なく呼べる。」
とダンシェル。
「フィリスの呼び名を姫にしたいと思うんだけど、違和感ある?」
とロウウェル。
「姫?いいんじゃね。」
「姫、まんまだろ。ひねらなくていいのか?」
「姫だな、とは前から思っていた。」
「改めて言われたら、姫にしか見えない。」
心身を起動し直した3人は、後輩3人がいないことに気付いた。
どこ行った?
探してみると、広めの会議室から、賑やかな声がする。
会議室?
会議すること、ある?
入ってみよう。
「入るぞー。」
と入ってみたならば。
「姫、お帰り。」
「姫、大変だったんだって。」
「姫、頑張ったんだって。」
「姫って、言いやすい。」
「問題ない、姫、決定。」
巻き起こる『姫』コール。
「姫は、終わったの。ティリリ王国で、姫役だっただけなの。」
とフィリスは会議室に集まった隊員に説明した。
何事?
フィリスは、会議室の中に後輩3人を見つける。
「ダンシェル、ロウウェル、レイモンド。」
フィリスが叱れる上司だ。
部下にきっちり話をしなくては。
「フィリス。呼び名は、姫で問題ないから、今日から姫な。」
とロウウェル。
「何を言っているの、ロウ。ボクはお姫様じゃないの。ね?」
とフィリス。
「帰国したら、別働隊の隊員に意見を聞くことにしていただろう?呼びやすいし、間違えないし、違和感ないから、フィリスは姫な。」
とダンシェル。
「違和感しかないの。」
とフィリス。
何を言っているの、この子。
「聞き取りした範囲だけど、コーハ王国では、呼び名が、姫の人はいないから、間違われることもない。」
とレイモンド。
「これから、出てくると思うの。ボクが姫だと困る方が。」
とフィリス。
少なくとも、フィリスは絶賛お困りである。
姫呼びの話題なんて、すっかり忘れていたので、フィリスは、なんの根回しもしていない。
「後から出てきて、フィリスの姫呼びに文句つけるような人間は、悪役令嬢とか、悪役令息と呼ぶから、フィリスは気にしなくていいよ。」
とレイモンド。
気にするところだと思う。
姫呼びを求める方がいたら、進んで進呈し、フィリスは、姫の呼び名を辞退もしくは、譲りたい。
「ボク、姫、じゃないのが、いいの。」
とフィリス。
ダンシェル、ロウウェル、レイモンド以外に訴えて、姫呼びを撤廃しなくては。
「えー。無理。姫に姫以外はないから。」
とロウウェル。
「帰国したら、別働隊で意見募る話になっていただろう?意見を募った結果、姫になったから。これからは、俺の姫、な。どこでも姫、と呼べる。」
とダンシェル。
後輩3人組にはティリリ王国で1度負けている。
ここは、別の相手を味方につけないと。
「レイモンド、3人以外の意見は?姫じゃない方がいい意見だって。」
「なかった。」
とレイモンド。
「え?」
「全会一致で、姫呼び確定した。」
とレイモンド。
「冗談でしょ?皆、冷静に考えて。ボクは、23歳の成人男性。お姫様とは、真逆なの。」
とフィリス。
「フィリスの考えるお姫様って、どんなもの?」
とレイモンド。
フィリスはうーんと考えた。
「気品があって、誇り高い方かしら。」
「ぴったりだね。」
とレイモンド。
「え?」
「フィリスこそ、姫、ということで、会議をしめたいと思う。」
とロウウェル。
「異議なし。」
とダンシェル。
「待って。異議あり。ボクは、異議あるの。」
とフィリスは急いで口をはさむ。
「フィリスは、呼ばれる側だ。呼ばれている内に慣れる。」
とダンシェル。
「慣れないから、返事しないと思うの。」
とフィリス。
「大丈夫。姫なんだから。」
とダンシェル。
「大丈夫な点は、どこにも見当たらないの。」
とフィリス。
その時、1人が声を張り上げた。
「姫、姫、ちょっと、聞きたいことが。相談に乗ってー。」
「もう。ボクは、姫じゃないの。姫じゃないって言っているの。待ってて。そっちに行くの。」
とフィリスは、歩み寄る。
「やっぱり、姫で合っているじゃん。よし、姫に決定。」
とロウウェル。
はっとして、フィリスは足を止めた。
ユージュアルとサブリーを振り返る。
「姫と呼ばれて、普通に返事して、受け答えしていたな。」
とユージュアル。
「誤魔化しが効かないくらいに自然だった。」
とサブリー。
「しまったの。ティリリ王国での姫呼び生活が馴染んでいたの。無意識に、返事してしまったの。」
とうなだれるフィリス。
「馴染んでいるなら、問題なく呼べる。」
とダンシェル。
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