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第5章 コーハ王国の近衛には、わがまま姫がいる。フィリス・ガランという子爵家子息。コーハ王国のイイ男を侍らせて、手玉にとっているらしいよ?
561.公衆の面前で、憶測を事実のように語るのはよろしくない。語っている本人は、センティシブな内容でも、事実だから、問題ないと考えていたり。
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「イクス・メラーを殺さないで、という理由は?」
とユージュアル。
「イクスは裏切ったんじゃありません。」
「イクス・メラーは、ティリリ王国の貴族子女を手引きしている。」
とユージュアル。
本人の許可も依頼もないのに、外交先の寝室に、外交先の貴族子女を斡旋して、いいわけがない。
イクス・メラーが斡旋先にしたのは、ラウル。
閨教育のお相手でさえ、細心の注意を払って選別されている男。
その血統ゆえに、出先で火遊びすることは一生ないだろう。
イクス・メラーのしたことを端的に表現すると、下の一文になる。
王弟を父に持つ侯爵子息に、全く関係ない派閥の伯爵子息が、勝手に外交先の子女をあてがおうとして、失敗した。
誰の差し金にしても、実行に移したイクス・メラーに未来はない。
ティリリ王国側がイクス・メラーに働きかけたのではなく、イクス・メラー側が条件に合う子女を探している。
イクス・メラーにメリットがないにも関わらず、自分から首をくくりに行っている。
イクス・メラーに関しては、動機が不明だった。
動機が分かる機会があるなら、活かしたい。
「だって、それは正しいことです。」
「必要なんです。」
と力説する4人の隊員。
「誰に必要?」
とユージュアル。
「勿論、ラウル様に。」
と自信満々な回答。
「何で?」
とユージュアル。
迷惑千万の間違いだとユージュアルは思う。
「ラウル様には、お似合いの女性がいるのに、不幸にも男にハマってしまわれました。女の良さを実感していただければ、ラウル様に相応しい出会いが。」
聞いたのはユージュアルだが、聞くんじゃなかったと、後悔した。
滔々と話している内容が、大変よろしくない。
憶測でラウルの下半身事情を事実のように公衆の面前で語りだす人間がいた。
「誰からの情報で、誰から頼まれた?」
とユージュアル。
さっさと切り上げてしまわないと巻き添えくいそう。
ラウルの結婚相手なんて、年齢の近いフィリップ殿下が片付かない限り、難しいだろう。
王子より王弟子息が先に片付いたら、王子の選択肢が減るではないか。
部外者のユージュアルでも分かることが、なんで分からないのか。
「こんなところで話す内容では。」
と言いよどむ。
したり顔で語ったラウルの下半身事情よりヤバい話題があるか?
「話さないなら、去れ。あと1人だ。さくっと終わらせる。」
とユージュアル。
「待って下さい。」
4人組が名前を出したのは、中央から遠ざかっている2つの公爵家の内の1つの家のご令嬢。
「なんで、その人?」
とユージュアル。
「公爵家のご令嬢と侯爵子息なら、問題ありません。」
「問題なかったら、もう婚約か結婚している。ご縁がないのは、そういうことじゃないのか?」
とユージュアル。
頭の悪い手下を野放しにするような主人をラウル姉はお気に召さない。
「ご縁と言いますが、ラウル様のお父上様は、社交にあまり出られません。お母上様には、あまりにご多忙。姉上様におかれては、野蛮すぎて、お話になりません。」
ラウルと姉は仲良しなので、年の離れた姉のことを悪く言ってはいけない。
ラウルと仲良くなりたいなら、守らなくてはならない基本のお約束だ。
ラウルと仲良くなりたいの?
ラウルに喧嘩を売りたいの?
全然、意図がわからない。
あと、俺を巻き添えにするなよ。
とユージュアルは心の中で、顔をしかめる。
「ラウル様が女性ではなく、男性をお求めになられるのは、女性の鑑のようなご令嬢に恵まれなかった生い立ちのためで。」
「イクスは、ラウル様の目を覚ます使命を果たすために動いたのです。」
「ラウル様に、女性の鑑のようなご令嬢と幸せになっていただきたい一心で、行ったことです。」
「裏切りではありません。」
「その計画は、誰が考えた?」
とユージュアル。
「5人で。」
「イクスが実行した理由は?」
とユージュアル。
「5人の中で、伯爵家はイクスだけなので。」
「なので?」
最後まで、まとめて喋ってしまえよ、とユージュアルは心の中で呟く。
「侯爵家のラウル様にお声をかけるには、伯爵家のイクスがよいと考えました。」
「親しくもないのに、伯爵家から、侯爵家に声をかけるのか?」
とユージュアル。
「不興を買うだけだろう。」
「それは、よくわかりません。」
「分からないなら、話は、終わり。やってしまおう。」
とユージュアル。
「殺さないで下さい。」
「イクス・メラーは失敗して、公爵令嬢との出会いもなくなった。なんで、生きていて欲しいんだ?」
「出会いは、まだこれからです。女性と生きる喜びは、ご令嬢直々にラウル様の元へ向かいますから、大丈夫です。」
「ますますイクス・メラーは、いなくてもいいように聞こえる。」
とユージュアル。
とユージュアル。
「イクスは裏切ったんじゃありません。」
「イクス・メラーは、ティリリ王国の貴族子女を手引きしている。」
とユージュアル。
本人の許可も依頼もないのに、外交先の寝室に、外交先の貴族子女を斡旋して、いいわけがない。
イクス・メラーが斡旋先にしたのは、ラウル。
閨教育のお相手でさえ、細心の注意を払って選別されている男。
その血統ゆえに、出先で火遊びすることは一生ないだろう。
イクス・メラーのしたことを端的に表現すると、下の一文になる。
王弟を父に持つ侯爵子息に、全く関係ない派閥の伯爵子息が、勝手に外交先の子女をあてがおうとして、失敗した。
誰の差し金にしても、実行に移したイクス・メラーに未来はない。
ティリリ王国側がイクス・メラーに働きかけたのではなく、イクス・メラー側が条件に合う子女を探している。
イクス・メラーにメリットがないにも関わらず、自分から首をくくりに行っている。
イクス・メラーに関しては、動機が不明だった。
動機が分かる機会があるなら、活かしたい。
「だって、それは正しいことです。」
「必要なんです。」
と力説する4人の隊員。
「誰に必要?」
とユージュアル。
「勿論、ラウル様に。」
と自信満々な回答。
「何で?」
とユージュアル。
迷惑千万の間違いだとユージュアルは思う。
「ラウル様には、お似合いの女性がいるのに、不幸にも男にハマってしまわれました。女の良さを実感していただければ、ラウル様に相応しい出会いが。」
聞いたのはユージュアルだが、聞くんじゃなかったと、後悔した。
滔々と話している内容が、大変よろしくない。
憶測でラウルの下半身事情を事実のように公衆の面前で語りだす人間がいた。
「誰からの情報で、誰から頼まれた?」
とユージュアル。
さっさと切り上げてしまわないと巻き添えくいそう。
ラウルの結婚相手なんて、年齢の近いフィリップ殿下が片付かない限り、難しいだろう。
王子より王弟子息が先に片付いたら、王子の選択肢が減るではないか。
部外者のユージュアルでも分かることが、なんで分からないのか。
「こんなところで話す内容では。」
と言いよどむ。
したり顔で語ったラウルの下半身事情よりヤバい話題があるか?
「話さないなら、去れ。あと1人だ。さくっと終わらせる。」
とユージュアル。
「待って下さい。」
4人組が名前を出したのは、中央から遠ざかっている2つの公爵家の内の1つの家のご令嬢。
「なんで、その人?」
とユージュアル。
「公爵家のご令嬢と侯爵子息なら、問題ありません。」
「問題なかったら、もう婚約か結婚している。ご縁がないのは、そういうことじゃないのか?」
とユージュアル。
頭の悪い手下を野放しにするような主人をラウル姉はお気に召さない。
「ご縁と言いますが、ラウル様のお父上様は、社交にあまり出られません。お母上様には、あまりにご多忙。姉上様におかれては、野蛮すぎて、お話になりません。」
ラウルと姉は仲良しなので、年の離れた姉のことを悪く言ってはいけない。
ラウルと仲良くなりたいなら、守らなくてはならない基本のお約束だ。
ラウルと仲良くなりたいの?
ラウルに喧嘩を売りたいの?
全然、意図がわからない。
あと、俺を巻き添えにするなよ。
とユージュアルは心の中で、顔をしかめる。
「ラウル様が女性ではなく、男性をお求めになられるのは、女性の鑑のようなご令嬢に恵まれなかった生い立ちのためで。」
「イクスは、ラウル様の目を覚ます使命を果たすために動いたのです。」
「ラウル様に、女性の鑑のようなご令嬢と幸せになっていただきたい一心で、行ったことです。」
「裏切りではありません。」
「その計画は、誰が考えた?」
とユージュアル。
「5人で。」
「イクスが実行した理由は?」
とユージュアル。
「5人の中で、伯爵家はイクスだけなので。」
「なので?」
最後まで、まとめて喋ってしまえよ、とユージュアルは心の中で呟く。
「侯爵家のラウル様にお声をかけるには、伯爵家のイクスがよいと考えました。」
「親しくもないのに、伯爵家から、侯爵家に声をかけるのか?」
とユージュアル。
「不興を買うだけだろう。」
「それは、よくわかりません。」
「分からないなら、話は、終わり。やってしまおう。」
とユージュアル。
「殺さないで下さい。」
「イクス・メラーは失敗して、公爵令嬢との出会いもなくなった。なんで、生きていて欲しいんだ?」
「出会いは、まだこれからです。女性と生きる喜びは、ご令嬢直々にラウル様の元へ向かいますから、大丈夫です。」
「ますますイクス・メラーは、いなくてもいいように聞こえる。」
とユージュアル。
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