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第5章 コーハ王国の近衛には、わがまま姫がいる。フィリス・ガランという子爵家子息。コーハ王国のイイ男を侍らせて、手玉にとっているらしいよ?

557.あるときは気にならないけれど、減ると気になるんだよね?外交先で、同行した同国人が外交先の方々と通じているのを発見してしまったら?

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確認した方がいいよな?
気にはなっていたんだ。
誰か、聞いてみろよ。
誰が聞く?
なんて聞く?

色変わりのなかった近衛達がざわついている。

色変わり組とは別の理由で。

小声で相談しあい、グループリーダーが聞くことに決まった。

「その集団の特徴を確認したい。彼らは、ティリリ王国に来て最初はどうもなかったんだ。はっきり分かる範囲では、この2週間以内で、彼らは全員、頭髪に不自由するようになったのではないだろうか?」
とグループリーダー。

『頭髪に不自由』という表現が染み渡る。
グループリーダーは、色変わり組が髪のセットに苦戦している現場を見ていたのだろうか。

「ボクの目から見ても、同じ意見になる。」
とフィリス。
「同僚の立場から振り返ってみるといいの。彼らは、ティリリ王国の特定の人間と親しくしていなかったかしら?」

「彼らが誰と親しくしていたか、知っているのか?」
とグループリーダー。
フィリスは答えず、問いかける。
「彼らが誰かと懇意にしている時期と、キミが彼らの頭髪に疑問を覚えた時期について、気づいたことはない?」

「そのせいで、髪の毛を失ったのか?俺達は無事だが。」
とグループリーダー。
「あるときは気にならないけれど、減ると気になるもの。それが、髪の毛。」
とフィリス。
「物事には原因と結果があるの。」

「ご存知かしら?」
とフィリスの声が広がっていく。
「彼らは、ティリリ王国の人間を手引きしたの。」

「ボク達、別働隊の寝泊まりしている部屋に。」

「全てボク達が未然に防いだから、全員が今日まで生きながらえている。」

「彼らの標的が、誰だったかも調べてある。」

水を打ったように静まり返る。

「今日は、佳き日。」
とフィリス。
「本日、午前11時27分。外交先で外交先の貴族子弟や子女と通じたあげく、陣中に外交先の貴族子弟や子女を引き入れ、その夜這い遂行を手引きした近衛を捕捉。」

「全員の記憶に残る一日になるの。」
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