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第5章 コーハ王国の近衛には、わがまま姫がいる。フィリス・ガランという子爵家子息。コーハ王国のイイ男を侍らせて、手玉にとっているらしいよ?
554.試薬を使った検証は、1つ1つ、可能性を潰していくか、証明を重ねていくか。祖国が選択肢にあっても、旗幟を鮮明にしないなら、それは?
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「なめているのか!」
と激昂する本隊隊員。
「止めさせろ。」
とラウルやセドリックに怒鳴る者。
「仕事の出来ない男好きのろくでなしめ。」
と罵る者。
「全員が復唱するまで、終わらない。何度でも続ける。終わらせたいなら、全員が復唱するしかない。していなかったら、前に引きずり出して、復唱させる。」
とユージュアル。
「出来もしないことを。」
と鼻で笑う者達。
「さっさと済ませたい人間は、フィリスに続いて、復唱してしまえよ。」
とユージュアル。
「ずっと水に濡れていたいのか、変わっているなあ。」
とサブリー。
「忠誠はティリリ王国にある。」
とフィリス。
「「「忠誠はティリリ王国にある。」」」
と一部の近衛。
「今、復唱した人間は確認した。復唱した人間は、サブリーの前に移動。」
一部の近衛が移動する。
サブリーと、ユージュアルが、3人をその輪から弾いた。
2人は、容赦なく蹴り込んでいる。
「復唱していない人間は、移動しない。戻れ。」
とユージュアル。
「何をする。」
と体勢を立て直して掴みかかろうとするが、サブリーとユージュアルは既にその場にいない。
「今すぐ死にたいなら、お望み通りにするぞ?」
とサブリーの自然体の発言。
グループリーダーが戻るように指示すると、3人は戻った。
そのグループリーダーは、夜這いをかけに来て、破廉恥劇場を堪能していた1人だ。
「復唱せよ。忠誠はティリリ王国にある。」
「「「忠誠はティリリ王国にある。」」」
何人か、復唱するが、その内に、青色が赤くなった者がいた。
「なんだ、これは!」
「色が変わった?」
騒ぐ本隊の隊員達。
「色変わりした人は、ユージュアルの前。」
とサブリー。
「復唱して色が変わらなかったら、サブリーの前。」
とユージュアル。
同じやり取りは2回続いた。
色が変わった者も、変わらなかった者もいたが、復唱を拒否して口を開かない者もいる。
その1人に本隊のリーダーがいた。
セドリックとよく話をしていた若者である。
「次が5回目。復唱しない者は、上官命令に背いたことにより、この場で処刑。」
とフィリス。
「「お前にそんなことができるか!」」
本隊の隊員から怒号が飛び交う。
「出来る、出来ないではなく、命令する。命令違反者の救済はなし。」
とフィリス。
「狂ってやがる。」
「こんなやつが近衛になるなんて。」
と怨嗟の声が聞こえるか、フィリスは涼しい顔。
「最後。復唱せよ。忠誠はティリリ王国にある。」
とフィリス。
「「忠誠はティリリ王国にある。」」
一部は復唱したが、しなかった者もいる。
復唱した者の内、色が変わった者は、ユージュアルの元へ。
色が変わらなかった者はサブリーの元へ。
「復唱しなければ、どうするんだったか?」
と本隊のリーダーが挑戦的にフィリスを睨んでいる。
本隊のリーダーは最後まで復唱しなかった。
リーダーがフィリスを睨んでいる間に、サブリーは、復唱しなかった隊員の1人の後頭部を蹴り込み、倒れ込ませる。
「口は、必要でも、上官に返事しない喉は、音を出さなくてもいいよな?」
言うやいなや、サブリーは、勢いよく、その隊員の喉を潰した。
「かひっ。」
痛みに苦しみ、悶える隊員。
本隊のリーダー達が駆けつける前に、サブリーは飛び退く。
「喉が、音を鳴らすうちに、発しておくとよいの。」
とフィリス。
フィリスは、微笑みながら、歩み寄る。
サブリーもフィリスも、離れたところにいるユージュアルも平然としている。
別働隊は動こうとしない。
外交部の人間は見守り体勢だ。
残っている近衛達は、指先から体温が失われたように感じた。
このとき、この場において、フィリス達3人の暴挙を抑える者は1人もいない。
帰国したら、絶対、やり返す。
と本隊の近衛の一部は、復讐心をたぎらせている。
「復唱したい者から、復唱するように。」
とフィリス。
「復唱せよ。忠誠は、ティリリ王国にある。」
1人、また1人と、復唱していく。
色が変わった者は、サブリーに押されて、ユージュアルの元へ。
色が変わらなかった者は、色の変わらなかった団体へ。
最後の1人。
本隊のリーダーの若者が残った。
「質問を戻そう。」
とフィリス。
「あい分かった。」
とサブリーは、携帯魔導具から、リーダーの若者向けて水を噴射した後に、赤色の水をかけた。
「復唱せよ。忠誠はコーハ王国にある。」
とフィリス。
「忠誠は、コーハ王国にある。」
とリーダーの若者。
赤色の水に、変化はない。
サブリーは、再び水をかけて、若者の赤色を洗い流すと、青色の水をかけた。
「復唱せよ。忠誠はコーハ王国にある。」
とフィリス。
「忠誠はコーハ王国にある。」
と若者。
本隊リーダーの若者にかかった青色の水も、変化しなかった。
赤色の水を被った本隊リーダーの若者。
最初。
コーハ王国への忠誠を口にしたとき、色の変化はなかった。
次に。
青色の水を被ったら、ティリリ王国への忠誠は拒否。
その次に。
赤色の水を被って、コーハ王国への忠誠を口にした。色の変化はなし。
最後に。
青色の水を被って、コーハ王国への忠誠を口にした。
色の変化はない。
本隊リーダーの若者は、赤色の試薬にも、青色の試薬にも変化しなかった。
赤色と青色の試薬には、予め、意味を持たせてある。
赤色が青くなったら、元の忠誠はティリリ王国にあったが、コーハ王国に寝返ったというしるし。
青色が赤くなったら、元の忠誠はコーハ王国だったが、ティリリ王国へ鞍替えしたしるし。
赤色も青色も変化がないということは、その者の忠誠を捧げる先がティリリ王国でもコーハ王国でもない、その2つ以外にある、という暗示。
「汝の忠誠はどこにある?」
とフィリスは、本隊リーダーの若者に問う。
と激昂する本隊隊員。
「止めさせろ。」
とラウルやセドリックに怒鳴る者。
「仕事の出来ない男好きのろくでなしめ。」
と罵る者。
「全員が復唱するまで、終わらない。何度でも続ける。終わらせたいなら、全員が復唱するしかない。していなかったら、前に引きずり出して、復唱させる。」
とユージュアル。
「出来もしないことを。」
と鼻で笑う者達。
「さっさと済ませたい人間は、フィリスに続いて、復唱してしまえよ。」
とユージュアル。
「ずっと水に濡れていたいのか、変わっているなあ。」
とサブリー。
「忠誠はティリリ王国にある。」
とフィリス。
「「「忠誠はティリリ王国にある。」」」
と一部の近衛。
「今、復唱した人間は確認した。復唱した人間は、サブリーの前に移動。」
一部の近衛が移動する。
サブリーと、ユージュアルが、3人をその輪から弾いた。
2人は、容赦なく蹴り込んでいる。
「復唱していない人間は、移動しない。戻れ。」
とユージュアル。
「何をする。」
と体勢を立て直して掴みかかろうとするが、サブリーとユージュアルは既にその場にいない。
「今すぐ死にたいなら、お望み通りにするぞ?」
とサブリーの自然体の発言。
グループリーダーが戻るように指示すると、3人は戻った。
そのグループリーダーは、夜這いをかけに来て、破廉恥劇場を堪能していた1人だ。
「復唱せよ。忠誠はティリリ王国にある。」
「「「忠誠はティリリ王国にある。」」」
何人か、復唱するが、その内に、青色が赤くなった者がいた。
「なんだ、これは!」
「色が変わった?」
騒ぐ本隊の隊員達。
「色変わりした人は、ユージュアルの前。」
とサブリー。
「復唱して色が変わらなかったら、サブリーの前。」
とユージュアル。
同じやり取りは2回続いた。
色が変わった者も、変わらなかった者もいたが、復唱を拒否して口を開かない者もいる。
その1人に本隊のリーダーがいた。
セドリックとよく話をしていた若者である。
「次が5回目。復唱しない者は、上官命令に背いたことにより、この場で処刑。」
とフィリス。
「「お前にそんなことができるか!」」
本隊の隊員から怒号が飛び交う。
「出来る、出来ないではなく、命令する。命令違反者の救済はなし。」
とフィリス。
「狂ってやがる。」
「こんなやつが近衛になるなんて。」
と怨嗟の声が聞こえるか、フィリスは涼しい顔。
「最後。復唱せよ。忠誠はティリリ王国にある。」
とフィリス。
「「忠誠はティリリ王国にある。」」
一部は復唱したが、しなかった者もいる。
復唱した者の内、色が変わった者は、ユージュアルの元へ。
色が変わらなかった者はサブリーの元へ。
「復唱しなければ、どうするんだったか?」
と本隊のリーダーが挑戦的にフィリスを睨んでいる。
本隊のリーダーは最後まで復唱しなかった。
リーダーがフィリスを睨んでいる間に、サブリーは、復唱しなかった隊員の1人の後頭部を蹴り込み、倒れ込ませる。
「口は、必要でも、上官に返事しない喉は、音を出さなくてもいいよな?」
言うやいなや、サブリーは、勢いよく、その隊員の喉を潰した。
「かひっ。」
痛みに苦しみ、悶える隊員。
本隊のリーダー達が駆けつける前に、サブリーは飛び退く。
「喉が、音を鳴らすうちに、発しておくとよいの。」
とフィリス。
フィリスは、微笑みながら、歩み寄る。
サブリーもフィリスも、離れたところにいるユージュアルも平然としている。
別働隊は動こうとしない。
外交部の人間は見守り体勢だ。
残っている近衛達は、指先から体温が失われたように感じた。
このとき、この場において、フィリス達3人の暴挙を抑える者は1人もいない。
帰国したら、絶対、やり返す。
と本隊の近衛の一部は、復讐心をたぎらせている。
「復唱したい者から、復唱するように。」
とフィリス。
「復唱せよ。忠誠は、ティリリ王国にある。」
1人、また1人と、復唱していく。
色が変わった者は、サブリーに押されて、ユージュアルの元へ。
色が変わらなかった者は、色の変わらなかった団体へ。
最後の1人。
本隊のリーダーの若者が残った。
「質問を戻そう。」
とフィリス。
「あい分かった。」
とサブリーは、携帯魔導具から、リーダーの若者向けて水を噴射した後に、赤色の水をかけた。
「復唱せよ。忠誠はコーハ王国にある。」
とフィリス。
「忠誠は、コーハ王国にある。」
とリーダーの若者。
赤色の水に、変化はない。
サブリーは、再び水をかけて、若者の赤色を洗い流すと、青色の水をかけた。
「復唱せよ。忠誠はコーハ王国にある。」
とフィリス。
「忠誠はコーハ王国にある。」
と若者。
本隊リーダーの若者にかかった青色の水も、変化しなかった。
赤色の水を被った本隊リーダーの若者。
最初。
コーハ王国への忠誠を口にしたとき、色の変化はなかった。
次に。
青色の水を被ったら、ティリリ王国への忠誠は拒否。
その次に。
赤色の水を被って、コーハ王国への忠誠を口にした。色の変化はなし。
最後に。
青色の水を被って、コーハ王国への忠誠を口にした。
色の変化はない。
本隊リーダーの若者は、赤色の試薬にも、青色の試薬にも変化しなかった。
赤色と青色の試薬には、予め、意味を持たせてある。
赤色が青くなったら、元の忠誠はティリリ王国にあったが、コーハ王国に寝返ったというしるし。
青色が赤くなったら、元の忠誠はコーハ王国だったが、ティリリ王国へ鞍替えしたしるし。
赤色も青色も変化がないということは、その者の忠誠を捧げる先がティリリ王国でもコーハ王国でもない、その2つ以外にある、という暗示。
「汝の忠誠はどこにある?」
とフィリスは、本隊リーダーの若者に問う。
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