550 / 1,412
第5章 コーハ王国の近衛には、わがまま姫がいる。フィリス・ガランという子爵家子息。コーハ王国のイイ男を侍らせて、手玉にとっているらしいよ?
551.策が振り切れて、常識の範疇から出てしまった策は、最善策とは呼ばれず、奇策と呼ばれる。
しおりを挟む
セドリックとラウルに黙って始めた破廉恥劇場は、バレる気配がなかったので、4人は素知らぬ顔をして引き継ぎをしていた。
しかし、引き継ぎ後にはけようとした途端、レイモンドはサブリーとユージュアルの襟首を掴み、シュクナはフィリスとダンシェルの襟首を掴んだ。
「報告することは、まだあるだろう。」
とセドリック。
フィリスもサブリーもユージュアルも、不思議そうな顔をする。
ダンシェルだけは、バレたと悟った。
「この3人にダンシェルを加えてもストッパーにならないんだな。」
とセドリック。
「お仕事、順調だから、なんの問題もないの。」
とフィリス。
「平和そのもの。」
とサブリー。
「揉め事もない。」
とユージュアル。
「代わりに、艶事か?」
とセドリック。
「「「うん?」」」
と首を傾げる3人は、なんの問題もないと思っている。
「招かれざる客は大人しいの。」
とフィリス。
「仕事の邪魔をしなくなった。」
とユージュアル。
「追跡粉のお陰で、仕事は捗って、いい感じ。」
とサブリー。
「「「どうかした?」」」
と3人。
「潜入捜査で、捜査官同士が恋人を装うようなものじゃない?」
とフィリス。
潜入捜査官は、どこから思いついた?4人とも近衛だろう。
とセドリックは思うが、隠し事を自白させているので、黙って聞いている。
「俺達、賢すぎたと思う。もっと早く気づけば良かった。」
とサブリー。
馬鹿と天才が紙一重なのは、問題点を見つけた後にあるんですね、とシュクナは考えている。
「真正面から、立ち向かうのが、最善策とは限らないよな。」
とユージュアル。
策が振り切れて、常識の範疇から出てしまったら、最善策とは言わない。奇策と言う。
レイモンドは、そんな風に思いながら、ユージュアルの自信満々な台詞を聞いていた。
安心、安全、とフィリス、サブリー、ユージュアルは主張する。
「体が疼いたフィリスがダンシェルを誘っている設定なので、ダンシェルが叩かれることもない。」
とユージュアル。
「目撃者も、口に出すのを憚れる情報は、話さない。」
「目撃者自身に後ろ暗いところがあるため、証言できない。」
「夜這いかけにこないと、目撃者にならないからなー。」
とサブリー。
セドリックとシュクナは、気付いてしまった。
3人がアホの子扱いされる理由。
フィリス、サブリー、ユージュアルには貴族の常識が、偏っている上に、中途半端にしかない。
この3人は、領地で遊ばせる前提で育てられた。
貴族教育は重視しなかったと聞いている。
セドリックとシュクナは、フィリス達3人の頭の中には、貴族社会の貞操観念を始めとする倫理観がすっぽ抜けている可能性があると思い至った。
行儀、団体行動、人間関係といった近衛として生きていくための常識は、ジーン、シドニー、ラウル、エスターが繰り返し教えた。
しかし、教育係の4人は、王の従兄弟のご子息や、王弟子息とその補佐達。貴族界のサラブレッドだ。
王家に連なるご子息の閨教育は、実践はあっても、上品さを損なうことがない。
下世話な下ネタが飛び交う環境では、勿論ない。
4人と同じ環境にいたフィリスは、教育係が一緒の間は、問題がなかった。
教育係の手を離れて、自分で考えるようになってからだ。
思考の土台は、領地での生活から得た知識。
その上に、人前で形になるように教えこんだ貴族常識を使っている。
問題が起きないわけがない。
領地で生きる前提で育てられた3人は、領地で現場に立つことを前提にして、事案にあたる傾向がある。
仕事環境の整備に、3人が頭を使った結果が、今回の破廉恥劇場、開幕。
貴族子弟としての評判や名声なんて、3人の頭にはない。
貴族子弟としての評価なんて、気にしたこともないだろう。
今の3人に話しても平行線だ。
問題点を3人の教育係ジーンと相談してからである。
「本隊のリーダーから、エロエロな本能を刺激されて、催すやつに気をつけろと忠告がきている。」
とセドリックが顔をしかめている。
「リーダーは、いなかったよな?」
とサブリー。
「使い物にならないやつを問いただした。」
とセドリック。
「ハーマルお兄様が明日には到着予定だから、終わりにしようかしら。」
とフィリス。
「今日は、大仕事なの。」
「待て。何をする気か、話せ。」
とセドリック。
しかし、引き継ぎ後にはけようとした途端、レイモンドはサブリーとユージュアルの襟首を掴み、シュクナはフィリスとダンシェルの襟首を掴んだ。
「報告することは、まだあるだろう。」
とセドリック。
フィリスもサブリーもユージュアルも、不思議そうな顔をする。
ダンシェルだけは、バレたと悟った。
「この3人にダンシェルを加えてもストッパーにならないんだな。」
とセドリック。
「お仕事、順調だから、なんの問題もないの。」
とフィリス。
「平和そのもの。」
とサブリー。
「揉め事もない。」
とユージュアル。
「代わりに、艶事か?」
とセドリック。
「「「うん?」」」
と首を傾げる3人は、なんの問題もないと思っている。
「招かれざる客は大人しいの。」
とフィリス。
「仕事の邪魔をしなくなった。」
とユージュアル。
「追跡粉のお陰で、仕事は捗って、いい感じ。」
とサブリー。
「「「どうかした?」」」
と3人。
「潜入捜査で、捜査官同士が恋人を装うようなものじゃない?」
とフィリス。
潜入捜査官は、どこから思いついた?4人とも近衛だろう。
とセドリックは思うが、隠し事を自白させているので、黙って聞いている。
「俺達、賢すぎたと思う。もっと早く気づけば良かった。」
とサブリー。
馬鹿と天才が紙一重なのは、問題点を見つけた後にあるんですね、とシュクナは考えている。
「真正面から、立ち向かうのが、最善策とは限らないよな。」
とユージュアル。
策が振り切れて、常識の範疇から出てしまったら、最善策とは言わない。奇策と言う。
レイモンドは、そんな風に思いながら、ユージュアルの自信満々な台詞を聞いていた。
安心、安全、とフィリス、サブリー、ユージュアルは主張する。
「体が疼いたフィリスがダンシェルを誘っている設定なので、ダンシェルが叩かれることもない。」
とユージュアル。
「目撃者も、口に出すのを憚れる情報は、話さない。」
「目撃者自身に後ろ暗いところがあるため、証言できない。」
「夜這いかけにこないと、目撃者にならないからなー。」
とサブリー。
セドリックとシュクナは、気付いてしまった。
3人がアホの子扱いされる理由。
フィリス、サブリー、ユージュアルには貴族の常識が、偏っている上に、中途半端にしかない。
この3人は、領地で遊ばせる前提で育てられた。
貴族教育は重視しなかったと聞いている。
セドリックとシュクナは、フィリス達3人の頭の中には、貴族社会の貞操観念を始めとする倫理観がすっぽ抜けている可能性があると思い至った。
行儀、団体行動、人間関係といった近衛として生きていくための常識は、ジーン、シドニー、ラウル、エスターが繰り返し教えた。
しかし、教育係の4人は、王の従兄弟のご子息や、王弟子息とその補佐達。貴族界のサラブレッドだ。
王家に連なるご子息の閨教育は、実践はあっても、上品さを損なうことがない。
下世話な下ネタが飛び交う環境では、勿論ない。
4人と同じ環境にいたフィリスは、教育係が一緒の間は、問題がなかった。
教育係の手を離れて、自分で考えるようになってからだ。
思考の土台は、領地での生活から得た知識。
その上に、人前で形になるように教えこんだ貴族常識を使っている。
問題が起きないわけがない。
領地で生きる前提で育てられた3人は、領地で現場に立つことを前提にして、事案にあたる傾向がある。
仕事環境の整備に、3人が頭を使った結果が、今回の破廉恥劇場、開幕。
貴族子弟としての評判や名声なんて、3人の頭にはない。
貴族子弟としての評価なんて、気にしたこともないだろう。
今の3人に話しても平行線だ。
問題点を3人の教育係ジーンと相談してからである。
「本隊のリーダーから、エロエロな本能を刺激されて、催すやつに気をつけろと忠告がきている。」
とセドリックが顔をしかめている。
「リーダーは、いなかったよな?」
とサブリー。
「使い物にならないやつを問いただした。」
とセドリック。
「ハーマルお兄様が明日には到着予定だから、終わりにしようかしら。」
とフィリス。
「今日は、大仕事なの。」
「待て。何をする気か、話せ。」
とセドリック。
0
お気に入りに追加
337
あなたにおすすめの小説
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
▼毎日18時投稿予定
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
もう人気者とは付き合っていられません
花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。
モテるのは当然だ。でも――。
『たまには二人だけで過ごしたい』
そう願うのは、贅沢なのだろうか。
いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。
「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。
ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。
生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。
※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中
願いの守護獣 チートなもふもふに転生したからには全力でペットになりたい
戌葉
ファンタジー
気付くと、もふもふに生まれ変わって、誰もいない森の雪の上に寝ていた。
人恋しさに森を出て、途中で魔物に間違われたりもしたけど、馬に助けられ騎士に保護してもらえた。正体はオレ自身でも分からないし、チートな魔法もまだ上手く使いこなせないけど、全力で可愛く頑張るのでペットとして飼ってください!
チートな魔法のせいで狙われたり、自分でも分かっていなかった正体のおかげでとんでもないことに巻き込まれちゃったりするけど、オレが目指すのはぐーたらペット生活だ!!
※「1-7」で正体が判明します。「精霊の愛し子編」や番外編、「美食の守護獣」ではすでに正体が分かっていますので、お気を付けください。
番外編「美食の守護獣 ~チートなもふもふに転生したからには全力で食い倒れたい」
「冒険者編」と「精霊の愛し子編」の間の食い倒れツアーのお話です。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/2227451/394680824
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる