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第5章 コーハ王国の近衛には、わがまま姫がいる。フィリス・ガランという子爵家子息。コーハ王国のイイ男を侍らせて、手玉にとっているらしいよ?

522.人員整理に巻き込まれているの?簡単にクビにできない相手だから、退職理由を作らせちゃう感じですか?

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ティリリ王国に蔓延している、フィリス・ガランという名のわがまま姫を排除するのは、万人にとって正義という風潮は、誤解じゃないか、と指摘されたぐらいで改められるものじゃなかったの。

居合わせたティリリ王国の近衛の人達に限ってかもしれないけれど、頭や心の深いところに染み込んでいるみたい。

ボクのことは、言葉を弄して、騙してきやがる、と警戒されてしまった。

わがまま姫が大迷惑だから、排除するのに外国に頼りたがっているという噂は、ある日、ティリリ王国の若手貴族の中で爆発的に広まり、常識と化したよう。

ティリリ王国の近衛の話から、分かるのはそのくらい。

裏がありそうなので、外交部が調べると思う。

マーゴットとマーゴットの親衛隊が、サブリー、ラウル、エスター、ユージュアル、ダンシェル、ロウウェルを連れて帰ってきた。

疲労困憊しているから、休ませなきゃね。

マーゴットが、ボクにお願い?

何でも言って。

ダンシェル、ロウウェル、レイモンドを頼む?

うん、分かったの。

ボクとレイモンドでダンシェルとロウウェルを看るね。

年長者とサブリーとユージュアルは、マーゴットと親衛隊がお世話してくれるの?

サブリーと、ユージュアルは、どうしたい?

マーゴットとお話する。

うん。分かった。2人とも、お願いね。

ありがとう。マーゴット。

お願いします。


フィリスが、ニコニコと後輩達のお世話にいそしむのを見届けたマーゴットは、すぐに切り替えた。



「フィリスお兄様のいないところで、話をします。」
とマーゴット。

軍人モードは解除したようだ。

「フィリスがいなくて、いいのか?」
とサブリー。

「お家でお話し。」
とマーゴット。

お家でめっちゃ叱られるんだな、とサブリーとユージュアルは思った。

「今日までの出来事を時系列で。」
とのマーゴットの要請により、近衛交流のため、ティリリ王国に招待を受けたあたりからの説明をセドリックがする。

「ティリリ王国の若手の上は、信じている素振りは見せないが、若手を止めない。」
とセドリック。

「ミーアーニ王女殿下と魔法使いは、フィリスがどうにかするって主張していた。」
とユージュアル。

「外交上の処理はハーマルお兄様に一任しているから、フィリスお兄様には好きにさせなさい。」
とマーゴット。

「ちゃんと見ておく。」
とユージュアル。

「一緒にいる。」
とサブリー。

「ミーアーニ王女殿下と魔法使いは、放置したんだけど、生きているかな?」
とサブリー。

「ティリリ王国に必要なら、捜索する。」
とマーゴット。

「いらないの?」
とサブリー。

「不用品の始末を押し付けられたかもしれない?」
とユージュアル。

「使いづらい、維持が面倒な兵器は、捨てるために使うこともある。」
とマーゴット。

「言われてみたら、連れてきた連中、数はいたけど、戦力としては、イマイチだった。」
とサブリー。

「数を揃えた、だけだな。強いていうなら、俺達を迎えにきた平民の兵士が熟練か。」
とユージュアル。

「ミーアーニ王女殿下寄りだったなら、使われたのは、王女の子飼いでもおかしくない。ひとまとめにして捨てた可能性はある。」
とマーゴット。

「ティリリ王国の近衛が話していた、外圧の話か。自国に外圧をかけてほしい、ティリリ人がいるという暴露だったのか?」
とセドリック。

「ティリリ王国は、一枚岩ではない。ハーマルお兄様が来るまで、わたし達が留まる。手下の運動とフィリスお兄様の安全のために。」
とマーゴット。
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