フィリス・ガランの近衛生活

第5章 コーハ王国の近衛には、わがまま姫がいる。フィリス・ガランという子爵家子息。コーハ王国のイイ男を侍らせて、手玉にとっているらしいよ？

518.「ご令嬢のために、親兄弟や従兄弟が怒鳴り込んでくるのは有る。兄のために妹に軍隊預けて突撃させるのは有りか？」「うちの姫だぞ？」

セドリック、シュクナとシュクナに引っ張られる姫役男性、レイモンドと、レイモンドに手を繋がれたフィリスは、ティリリ王国側の近衛の指揮官の元へ。

「お姫様救出ゲームの真意を話せ。時間はあまりない。」
とセドリック。

「聞きたいのは、こっちだ。何してくれた？」
と指揮官。

「コーハ王国に赤い軍服集団の関与はない。あの集団が関与する事態を引き起こしたのは、ティリリ王国だ。」
とセドリック。
「姫役のフィリスを連れていった者は、近衛の制服を着ていたが、近衛ではなかった。」

「近衛交流会とうたいながら、何を計画した？」

セドリックの詰問に、そんな訳あるか、と指揮官が怒鳴り返す。

「フィリス、説明しろ。」
とセドリック。

フィリスは、最初から説明した。

近衛の制服を着ているけど、貴族ではない、平民の兵士が集団でフィリス達3人を待ち構えていた。

案内されて進んだけど、道の状態も悪く、お姫様を助けに行くようなイベント用の道のりじゃなくて、遭難しそうな道だったこと。

行き先が、何にもない、山中だったから、何かがおかしいと逃げたこと。

逃げるときは、3人バラバラだったから、他の2人には逃げてから、会っていないこと。

人前で話せる部分を話す。

「さっきの赤いやつらは？」
と指揮官。

「妹。」
とフィリス。

「は？」

「ボクの妹。」
とフィリス。

「真の姫君のごとく、姫そのもののように大切にされているご子息が危険にさらされたからじゃないか？」
とセドリック。

「息子が危ない目にあったからって、娘に兵隊持たせて、突撃させるのか。コイツの親は。」
と指揮官。

「腹に据えかねたんだろう。」
とセドリック。

「いや、普通は、逆じゃないのか？」
と指揮官。

「よくあるものなのか？」
とセドリック。

「ご令嬢のために、男兄弟や従兄弟が出てくる家はある。」
と指揮官。

「うちの姫だぞ。ご令嬢を基準にするなど、ぬるすぎる。」
とセドリック。

フィリスは、話の展開についていけない。

ボクの妹、と知ったんなら、マーゴットがいかに素敵な女性だという話になるんじゃないの？

ボクがお姫様だから、マーゴットが軍隊を連れてきたみたいな話になってない？

話が脱線しちゃっただけだよね？