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第5章 コーハ王国の近衛には、わがまま姫がいる。フィリス・ガランという子爵家子息。コーハ王国のイイ男を侍らせて、手玉にとっているらしいよ?
516.「お兄様が、1人でいるところを発見した。急いで駆けつけて、保護した。お兄様の教育係やお付きが不在とは、どういう了見だ。」
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ティリリ王国側の近衛達は、禍々しいナニカについて聞きたくて仕方ないが、フィリスは違う。
仕事中なのに、ボクは、可愛い妹と一緒に歩いている、なんて、幸せなのかしら、と思っている。
よって、禍々しいナニカがマーゴットの横にいても、フィリスは気にしない。
歩いていくと、すぐに、セドリックとシュクナ、レイモンドが見えた。
姫役の男性も。
フィリスから見えているということは、セドリック達からも見えている。
何しろ、真正面から歩いているのだから。
「何だ?あれは!」
と姫役の男性が怯えている。
「口を慎みなさい。あのナニカにどうにかされたくなければ。」
とシュクナ。
「あれは、誰?フィリスが楽しそう。」
とレイモンド。
レイモンドは、マーゴットの1つ上なので、成人の儀がかぶらないから、フィリスに妹がいるとは聞いていても、間近で会ったことがない。
「フィリスの妹。ガラン子爵家の第5子。」
とセドリック。
「余計なことは喋るなよ。」
とセドリックは念押しする。
「遠路はるばる。お会いできた幸運に感謝を。閣下。」
とセドリックは、マーゴットに頭を下げる。
「頭をあげて構わない。」
とマーゴット。
「お兄様が、1人でいるところを発見した。教育係やお付きが不在とは。」
フィリスは慌てた。
「サブリーとユージュアルは、ボクが命令して、助けにいっているから、勝手にしたわけじゃないの。」
サブリーとユージュアルは何も悪くない。
主人に従っただけだ。
「ラウルとエスターは、この国のミーアーニ王女殿下に追いかけ回されていて、危なかったの。」
「ダンシェルとロウウェルは、この国の防御魔法使いが追いかけ回して、危なかったの。」
「だから、サブリーとユージュアルが行ったの。」
「お兄様。お姫様の救出ゲームではなかったのですか?お話と違いますね。」
「ボクもお姫様救出ゲームと聞いていたの。
あのね、ボクとサブリーとユージュアルを連れていったのは、近衛の制服を着ていたけど、近衛じゃなかった。」
「だから、ボク達逃げたの。」
「お兄様は、怖い思いをされたのに、頑張られたのですね。」
とマーゴット。
怖い思いは、していないけれど、妹の気遣いを無にしたくない。
「ボク、セドリック達のところに戻ることにしたの。」
フィリスは、戻ってくるまでの大活躍をマーゴットに聞かせたかったが、マーゴットは阻止した。
うっかりフィリスに、神気をばらまいていた話を人前でさせるわけにはいかない。
「無事に戻ってこれましたわね。お兄様の頑張りは、お家で、時間をとって、お父様とデヒルお兄様とハーマルお兄様とでお聞きします。」
「それまで、胸に仕舞っていてください。」
「ハーマルお兄様がそのうち、到着しますから、楽しみになさっていてください。」
とマーゴット。
「セドリック、お兄様を預ける。」
とマーゴット。
セドリックは、レイモンドに、フィリスを捕まえているように指示した。
レイモンドは、背中側からすっぽり胸におさまるように、フィリスを抱きしめる。
フィリスは恥ずかしくてもがくが、レイモンドが離そうとしないので、大人しくなった。
「閣下は、これから、どうなさる?」
とセドリック。
「演習にちょうど良い広さなので、肩慣らしを。」
「用が終われば、帰る。見送りは、不要。」
とマーゴット。
「帰っちゃうの?」
とフィリス。
ボク、まだ、何にもカッコいいところを見せていないよ。
姫役だと知られただけ、なんて、素敵な兄とは言えない。
「お兄様。まだ、帰りません。打ち合わせもあります。」
とマーゴット。
ほっとするフィリス。
打ち合わせ、と聞いて、そっちが本題かと理解したセドリックとシュクナ。
「お兄様、お付きが戻る頃合いで、戻ります。」
とマーゴット。
「気をつけてね。」
マーゴットがまだ帰らないと聞いたフィリスは、ご機嫌で手を振った。
レイモンドの腕の中で。
マーゴットが、禍々しいナニカに乗ると、赤い軍服の集団もすぐに乗った。
「飛翔。」
とマーゴット。
禍々しいナニカは、赤い軍服集団を乗せて飛ぶ。
禍々しいナニカは、
キリモミ飛行をしながら、赤黒い炎を吐いたりしている。
ナニカの調子が確認でき、ナニカとの感覚を掴んだ者から、
軍用地の全体に散っていった。
レイモンドが疑問を口にする。
「なんで、閣下?」
仕事中なのに、ボクは、可愛い妹と一緒に歩いている、なんて、幸せなのかしら、と思っている。
よって、禍々しいナニカがマーゴットの横にいても、フィリスは気にしない。
歩いていくと、すぐに、セドリックとシュクナ、レイモンドが見えた。
姫役の男性も。
フィリスから見えているということは、セドリック達からも見えている。
何しろ、真正面から歩いているのだから。
「何だ?あれは!」
と姫役の男性が怯えている。
「口を慎みなさい。あのナニカにどうにかされたくなければ。」
とシュクナ。
「あれは、誰?フィリスが楽しそう。」
とレイモンド。
レイモンドは、マーゴットの1つ上なので、成人の儀がかぶらないから、フィリスに妹がいるとは聞いていても、間近で会ったことがない。
「フィリスの妹。ガラン子爵家の第5子。」
とセドリック。
「余計なことは喋るなよ。」
とセドリックは念押しする。
「遠路はるばる。お会いできた幸運に感謝を。閣下。」
とセドリックは、マーゴットに頭を下げる。
「頭をあげて構わない。」
とマーゴット。
「お兄様が、1人でいるところを発見した。教育係やお付きが不在とは。」
フィリスは慌てた。
「サブリーとユージュアルは、ボクが命令して、助けにいっているから、勝手にしたわけじゃないの。」
サブリーとユージュアルは何も悪くない。
主人に従っただけだ。
「ラウルとエスターは、この国のミーアーニ王女殿下に追いかけ回されていて、危なかったの。」
「ダンシェルとロウウェルは、この国の防御魔法使いが追いかけ回して、危なかったの。」
「だから、サブリーとユージュアルが行ったの。」
「お兄様。お姫様の救出ゲームではなかったのですか?お話と違いますね。」
「ボクもお姫様救出ゲームと聞いていたの。
あのね、ボクとサブリーとユージュアルを連れていったのは、近衛の制服を着ていたけど、近衛じゃなかった。」
「だから、ボク達逃げたの。」
「お兄様は、怖い思いをされたのに、頑張られたのですね。」
とマーゴット。
怖い思いは、していないけれど、妹の気遣いを無にしたくない。
「ボク、セドリック達のところに戻ることにしたの。」
フィリスは、戻ってくるまでの大活躍をマーゴットに聞かせたかったが、マーゴットは阻止した。
うっかりフィリスに、神気をばらまいていた話を人前でさせるわけにはいかない。
「無事に戻ってこれましたわね。お兄様の頑張りは、お家で、時間をとって、お父様とデヒルお兄様とハーマルお兄様とでお聞きします。」
「それまで、胸に仕舞っていてください。」
「ハーマルお兄様がそのうち、到着しますから、楽しみになさっていてください。」
とマーゴット。
「セドリック、お兄様を預ける。」
とマーゴット。
セドリックは、レイモンドに、フィリスを捕まえているように指示した。
レイモンドは、背中側からすっぽり胸におさまるように、フィリスを抱きしめる。
フィリスは恥ずかしくてもがくが、レイモンドが離そうとしないので、大人しくなった。
「閣下は、これから、どうなさる?」
とセドリック。
「演習にちょうど良い広さなので、肩慣らしを。」
「用が終われば、帰る。見送りは、不要。」
とマーゴット。
「帰っちゃうの?」
とフィリス。
ボク、まだ、何にもカッコいいところを見せていないよ。
姫役だと知られただけ、なんて、素敵な兄とは言えない。
「お兄様。まだ、帰りません。打ち合わせもあります。」
とマーゴット。
ほっとするフィリス。
打ち合わせ、と聞いて、そっちが本題かと理解したセドリックとシュクナ。
「お兄様、お付きが戻る頃合いで、戻ります。」
とマーゴット。
「気をつけてね。」
マーゴットがまだ帰らないと聞いたフィリスは、ご機嫌で手を振った。
レイモンドの腕の中で。
マーゴットが、禍々しいナニカに乗ると、赤い軍服の集団もすぐに乗った。
「飛翔。」
とマーゴット。
禍々しいナニカは、赤い軍服集団を乗せて飛ぶ。
禍々しいナニカは、
キリモミ飛行をしながら、赤黒い炎を吐いたりしている。
ナニカの調子が確認でき、ナニカとの感覚を掴んだ者から、
軍用地の全体に散っていった。
レイモンドが疑問を口にする。
「なんで、閣下?」
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