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第5章 コーハ王国の近衛には、わがまま姫がいる。フィリス・ガランという子爵家子息。コーハ王国のイイ男を侍らせて、手玉にとっているらしいよ?

484.男を自分で捕まえる?したことないの。ボクは、可愛いから、男が寄ってくるの。ボクのものになりたいって、皆、自薦なのよ?

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「ボクの男?ラウル様を?」
とミーアーニ王女殿下。

「ラウルだけじゃないの。全員ボクのなの。お呼びじゃない方は、お帰りくださいませ。」
迷惑しているのよ、ボク達。

「何人、捕まえているのよ!」
とミーアーニ王女殿下。

「ボクは、1人も捕まえたことはないの。皆、ボクのものになりたいって、自分から来たもの。」

「はぁ?あんたの何がいいって言うわけ?」
とミーアーニ王女殿下。

「ボクが可愛いから、かしら。」
理由なんて、他に思い当たらないの。

「どこが可愛いって!鏡を見たことないの?」
とミーアーニ王女殿下。

「ラウル、ボク、可愛いかしら?」
ラウルを振り返って確認してみる。
「俺の知る中で、姫より可愛い姫はいない。」
とラウル。

「嬉しい。ボク、ラウルに、ずっと可愛いと思われたい。」
ラウル、大好き。

「初めて会った日から、姫は、ずっと可愛い。」
とラウル。

ラウルは、優しい。
ボク、ラウルのその優しい気持ちを踏みにじられたりしないように、絶対勝つからね。
「ボク、自信持って、可愛くいる。」

ラウルがぎゅうっと抱きしめてくれた。
ボクもラウルの背中に腕を回す。
「ラウル。ゲームが始まったら、離れ離れになっちゃう。ボク、今から凄く寂しい。早く助けに来てね。だって、離れ離れになることを考えたら、今から心細くて、たまらないの。」

「待っているから、すぐ来てね。」
ボクは、ラウルの胸板に頭を押し付ける。

ラウルは、片手で頭を撫でてくれた。

「待っている間は、俺のことだけを考えていろ。終わったら、待てた褒美に甘やかしてやる。」
とラウル。

「本当?もっと、言葉をちょうだい。待っている間、ラウルのくれた言葉を頼りにする。」


セドリックに並んだ本隊のリーダーの若者は、セドリックを見たり、ラウルに抱きしめられながら甘えているフィリスを見たり。

「あれ。日常風景?」
と若者。
「気にしたことがない。」
とセドリック。

「今のやり取りを見ると、確かに、姫と姫の男だと感じる。」
と若者。
「あれが、毎日あったら、感覚狂うなあ。」
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