フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

文字の大きさ
上 下
462 / 1,438
第5章 コーハ王国の近衛には、わがまま姫がいる。フィリス・ガランという子爵家子息。コーハ王国のイイ男を侍らせて、手玉にとっているらしいよ?

464.ボクの可愛い後輩に言い寄る魔法使いについての話し合い。ボク、2度目はない、と思っているからね。

しおりを挟む
第2王子と4人の側近は、全員一命をとりとめ、安静にしている。

「王子様も、4人も姫はアンタッチャブルだと思い知ったから、今後、気に障ることはしない。」
とナイスミドル。

一撃で力量の差を理解し、第2王子の安全のために、側近は抵抗しなかったそうだ。

「アンタッチャブル?」
褒められているの?
褒め言葉って、もっと、心に響くものだと思うの。

「第2王子も側近も、2度と姫のものに手出しはしない。2度目はないと誓う。」
とナイスミドル。

ティリリ王国において、誓うことの意味は大きい。

力の強い移民ウェルカムの国だが、無秩序にしないため、守らなくてはならないことは、国に誓う。
誓いを破れば、命を失う。

「第2王子と側近を許してほしいの?ボクのものをもうほしがらないから?そうねえ。」
フィリスは考える。

「魔法使いは、第2王子のなんなの?」
簡単に、味方を裏切るなんて、びっくり。
「第2王子の直属というわけじゃなく、防御魔法が得意だから、防御魔法の必要な場面で働いている。」
とナイスミドル。

「国の?王家の?」
とフィリス。

「両方だ。」
とナイスミドル。

「第2王子に、魔法使いをどうにかするのは難しいのね。」
とフィリス。

第2王子でなく、国王であれば、違っただろうが、君主でもなく、後継ぎでもないなら、一存でどうこうできない。

「魔法使いは、ティリリ王国生まれ?」

「両親は移民だが、本人は、この国で生まれた記録がある。」

魔法使いは、両親にもっと戦わない国へ移民してほしかったのかもね。

「魔法使いについて、1度は放免とする。2度目があれば、ティリリ王国に責任を取らせる。
どんな責任か決めるのは、ボク。
ティリリ王国の実行責任者は第2王子と側近と、キミ達2人。地の果てまで追ってでも、責任を果たすこと。」
とフィリス。

「7人いれば、魔法使いをつつがなく始末出来るかしら?7人で難しいなら、ティリリ王国は、自力で必要な戦力を投入してね。失敗しても、必ずやり遂げること。」

「失敗は2回まで許す。3回以上の失敗は、約束の不履行とみなす。」

「約束の不履行の代償は、今回の近衛交流会参加者全員の命。それ以外、認めない。」
とフィリス。

「えらく手厳しい内容だ。今すぐ返事はできん。持ち帰らせてくれ。」
とオジサン。

「持ち帰りの間、魔法使いがボクとボクのものに何もしないようにするのよ?」
とフィリスは念を押す。
「もし、魔法使いが原因の何かがボクを煩わせたら、ボクが決めたものを修復できないようにする。」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【短編】乙女ゲームの攻略対象者に転生した俺の、意外な結末。

桜月夜
BL
 前世で妹がハマってた乙女ゲームに転生したイリウスは、自分が前世の記憶を思い出したことを幼馴染みで専属騎士のディールに打ち明けた。そこから、なぜか婚約者に対する恋愛感情の有無を聞かれ……。  思い付いた話を一気に書いたので、不自然な箇所があるかもしれませんが、広い心でお読みください。

悪役令息の伴侶(予定)に転生しました

  *  
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、自らを反省しました。BLゲームの世界で推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)

公爵家の次男は北の辺境に帰りたい

あおい林檎
BL
北の辺境騎士団で田舎暮らしをしていた公爵家次男のジェイデン・ロンデナートは15歳になったある日、王都にいる父親から帰還命令を受ける。 8歳で王都から追い出された薄幸の美少年が、ハイスペイケメンになって出戻って来る話です。 序盤はBL要素薄め。

私の容姿は中の下だと、婚約者が話していたのを小耳に挟んでしまいました

山田ランチ
恋愛
想い合う二人のすれ違いラブストーリー。 ※以前掲載しておりましたものを、加筆の為再投稿致しました。お読み下さっていた方は重複しますので、ご注意下さいませ。 コレット・ロシニョール 侯爵家令嬢。ジャンの双子の姉。 ジャン・ロシニョール 侯爵家嫡男。コレットの双子の弟。 トリスタン・デュボワ 公爵家嫡男。コレットの婚約者。 クレマン・ルゥセーブル・ジハァーウ、王太子。 シモン・ノアイユ 辺境伯家嫡男。コレットの従兄。 ルネ ロシニョール家の侍女でコレット付き。 シルヴィー・ペレス 子爵令嬢。 〈あらすじ〉  コレットは愛しの婚約者が自分の容姿について話しているのを聞いてしまう。このまま大好きな婚約者のそばにいれば疎まれてしまうと思ったコレットは、親類の領地へ向かう事に。そこで新しい商売を始めたコレットは、知らない間に国の重要人物になってしまう。そしてトリスタンにも女性の影が見え隠れして……。  ジレジレ、すれ違いラブストーリー

例え何度戻ろうとも僕は悪役だ…

東間
BL
ゲームの世界に転生した留木原 夜は悪役の役目を全うした…愛した者の手によって殺害される事で…… だが、次目が覚めて鏡を見るとそこには悪役の幼い姿が…?! ゲームの世界で再び悪役を演じる夜は最後に何を手に? 攻略者したいNO1の悪魔系王子と無自覚天使系悪役公爵のすれ違い小説!

勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。

八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。 パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。 攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。 ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。 一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。 これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。 ※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。 ※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。 ※表紙はAIイラストを使用。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

龍の寵愛を受けし者達

樹木緑
BL
サンクホルム国の王子のジェイドは、 父王の護衛騎士であるダリルに憧れていたけど、 ある日偶然に自分の護衛にと推す父王に反する声を聞いてしまう。 それ以来ずっと嫌われていると思っていた王子だったが少しずつ打ち解けて いつかはそれが愛に変わっていることに気付いた。 それと同時に何故父王が最強の自身の護衛を自分につけたのか理解す時が来る。 王家はある者に裏切りにより、 無惨にもその策に敗れてしまう。 剣が苦手でずっと魔法の研究をしていた王子は、 責めて騎士だけは助けようと、 刃にかかる寸前の所でとうの昔に失ったとされる 時戻しの術をかけるが…

処理中です...