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第5章 コーハ王国の近衛には、わがまま姫がいる。フィリス・ガランという子爵家子息。コーハ王国のイイ男を侍らせて、手玉にとっているらしいよ?
462.否定すれば、するほど、『ああ、はいはい、分かっているよ。』と思われて、全然信じてもらえない。そんな日もあるよね?
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「姫じゃないの。」
とフィリスは、その日、確かに否定した。
「違うの、違うの。ボクは、姫じゃないの。」
何度も否定した。
たくさんの人が聞いていた。
たくさんの人が、フィリスが姫ではないと主張するのを聞いていたはず。
それなのに。
ああ、それなのに。
何故か、姫呼びが広まっているという不思議。
「どうして。」
とフィリス。
たくさんの人の中にいたサブリーとも無事に合流して、第2王子と魔法使いを置いて、宿泊施設に行った。
その日は、コーハ王国の近衛同士で打ち合わせをして、解散。
翌日は、後処理のゴタゴタで一日休んで、本国への連絡し、本国との打ち合わせ。
新しく人を送るのは危険なので、今いる人間で、交渉をまとめることになり、ラウルやセドリック、フィリスが交渉役になった。
ラウルは、自分のことだから。
セドリックは、ラウルの安全のため。
フィリスは、近衛別働隊の総司令として参加する気満々だった。
だって、ボク、実は偉い人だから。
ボクが、権威として、ばしっと決めなくちゃ。
気を引き締めて、交渉の部屋に向かったのだが。
「あ、姫も参加?」
「やっぱり。姫は絶対来るって言ったじゃん。」
「姫は、姫だから、真ん中だよな?座席。」
フィリスの顔を見るなり、挨拶ではなく、姫呼びが飛び交い始めた。
どういうこと?
姫は、否定したはず。
姫は、ボクのことじゃない。
絶対に。
「姫、立ち止まってないで、入って来いよ。」
とオジサン。
「ボク、姫じゃないの。」
否定していると、ちゃんと伝えなくては。
それなのに。
「姫、と呼ばれて、返事しているから、姫だろ?」
とオジサンに呆れられてしまった。
それは。
つい、うっかりで。
「本当は、ボク、姫じゃないの。違うの。」
うっかりした分、否定、多めにした甲斐もなく、交渉は、フィリスを姫呼びしたまま始まったのだ。
とフィリスは、その日、確かに否定した。
「違うの、違うの。ボクは、姫じゃないの。」
何度も否定した。
たくさんの人が聞いていた。
たくさんの人が、フィリスが姫ではないと主張するのを聞いていたはず。
それなのに。
ああ、それなのに。
何故か、姫呼びが広まっているという不思議。
「どうして。」
とフィリス。
たくさんの人の中にいたサブリーとも無事に合流して、第2王子と魔法使いを置いて、宿泊施設に行った。
その日は、コーハ王国の近衛同士で打ち合わせをして、解散。
翌日は、後処理のゴタゴタで一日休んで、本国への連絡し、本国との打ち合わせ。
新しく人を送るのは危険なので、今いる人間で、交渉をまとめることになり、ラウルやセドリック、フィリスが交渉役になった。
ラウルは、自分のことだから。
セドリックは、ラウルの安全のため。
フィリスは、近衛別働隊の総司令として参加する気満々だった。
だって、ボク、実は偉い人だから。
ボクが、権威として、ばしっと決めなくちゃ。
気を引き締めて、交渉の部屋に向かったのだが。
「あ、姫も参加?」
「やっぱり。姫は絶対来るって言ったじゃん。」
「姫は、姫だから、真ん中だよな?座席。」
フィリスの顔を見るなり、挨拶ではなく、姫呼びが飛び交い始めた。
どういうこと?
姫は、否定したはず。
姫は、ボクのことじゃない。
絶対に。
「姫、立ち止まってないで、入って来いよ。」
とオジサン。
「ボク、姫じゃないの。」
否定していると、ちゃんと伝えなくては。
それなのに。
「姫、と呼ばれて、返事しているから、姫だろ?」
とオジサンに呆れられてしまった。
それは。
つい、うっかりで。
「本当は、ボク、姫じゃないの。違うの。」
うっかりした分、否定、多めにした甲斐もなく、交渉は、フィリスを姫呼びしたまま始まったのだ。
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