449 / 1,415
第5章 コーハ王国の近衛には、わがまま姫がいる。フィリス・ガランという子爵家子息。コーハ王国のイイ男を侍らせて、手玉にとっているらしいよ?
451.うちの姫は、無自覚なんです。生来の気質が姫だから、どこにいても、何をしても、ナチュラルに姫ムーブかましちゃうんです。性別は男ですが。
しおりを挟む
混沌の只中。
フィリスは、華麗にポーズを決めて、台詞も言えたのに、肝心の相手の反応が薄いので、ちょっぴりご不満。
『やや、曲者め、ものども、であえ。であえ。』
と返すところじゃないの?
ラウルのお姉様から、賊の集会に乗り込んだり、現場をおさえるときは、このやり取りをすると聞いたんだけど、どうして何も言わないのかしら?
一緒に練習したときは、ラウルのお姉様に、上手だと褒めてもらったの。
台詞をボク仕様にしたから、通用しなかったのかしら?
気を取り直して。
「このボクが、直々にやっつけにきたことに恐れおののいているの?」
「そこの粗忽者、名を名乗りなさい。」
フィリスは、扇を閉じて、ビシッとつきつけてやる。
「お、お、お前こそ、何者だ!」
なよっとした男の周りには、見目の良い細見の男が数人まとまっている。
細見の男達には、なよっとした男を身を挺して守ろうという意気込みはないようだ。
「このボクを知らないの?不勉強すぎないかしら?」
とフィリス。
フィリスは真面目に心配している。
『わがまま姫』と近衛が盛り上がるくらい、国をあげて待ち望んでいた当人が、目の前にいる。
『おそれおおくも、かしこみ、かしこみ』とボクを見て、ひれ伏さないなんて、教養が足りてないんじゃないかしら?
「見る限り、成人済みに見えるのに、お勉強が足りないまま、歳を重ねてしまったのね。お気の毒なこと。」
とフィリスは声に出して同情した。
「さぞ苦労したことでしょう。これから、もっと苦労するのね。」
「苦労は全部、自己責任だから、妥当かしら。」
もう1度、気を取り直して。
「ボクに名前を尋ねるなんて、粗忽者の上に、愚か者の所業。恥を知り、己の名前を名乗りなさい。」
フィリスは、華麗にポーズを決めて、台詞も言えたのに、肝心の相手の反応が薄いので、ちょっぴりご不満。
『やや、曲者め、ものども、であえ。であえ。』
と返すところじゃないの?
ラウルのお姉様から、賊の集会に乗り込んだり、現場をおさえるときは、このやり取りをすると聞いたんだけど、どうして何も言わないのかしら?
一緒に練習したときは、ラウルのお姉様に、上手だと褒めてもらったの。
台詞をボク仕様にしたから、通用しなかったのかしら?
気を取り直して。
「このボクが、直々にやっつけにきたことに恐れおののいているの?」
「そこの粗忽者、名を名乗りなさい。」
フィリスは、扇を閉じて、ビシッとつきつけてやる。
「お、お、お前こそ、何者だ!」
なよっとした男の周りには、見目の良い細見の男が数人まとまっている。
細見の男達には、なよっとした男を身を挺して守ろうという意気込みはないようだ。
「このボクを知らないの?不勉強すぎないかしら?」
とフィリス。
フィリスは真面目に心配している。
『わがまま姫』と近衛が盛り上がるくらい、国をあげて待ち望んでいた当人が、目の前にいる。
『おそれおおくも、かしこみ、かしこみ』とボクを見て、ひれ伏さないなんて、教養が足りてないんじゃないかしら?
「見る限り、成人済みに見えるのに、お勉強が足りないまま、歳を重ねてしまったのね。お気の毒なこと。」
とフィリスは声に出して同情した。
「さぞ苦労したことでしょう。これから、もっと苦労するのね。」
「苦労は全部、自己責任だから、妥当かしら。」
もう1度、気を取り直して。
「ボクに名前を尋ねるなんて、粗忽者の上に、愚か者の所業。恥を知り、己の名前を名乗りなさい。」
0
お気に入りに追加
337
あなたにおすすめの小説
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
英雄様の取説は御抱えモブが一番理解していない
薗 蜩
BL
テオドア・オールデンはA級センチネルとして日々怪獣体と戦っていた。
彼を癒せるのは唯一のバティであるA級ガイドの五十嵐勇太だけだった。
しかし五十嵐はテオドアが苦手。
黙って立っていれば滅茶苦茶イケメンなセンチネルのテオドアと黒目黒髪純日本人の五十嵐君の、のんびりセンチネルなバースのお話です。
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
【R18+BL】ハデな彼に、躾けられた、地味な僕
hosimure
BL
僕、大祇(たいし)永河(えいが)は自分で自覚するほど、地味で平凡だ。
それは容姿にも性格にも表れていた。
なのに…そんな僕を傍に置いているのは、学校で強いカリスマ性を持つ新真(しんま)紗神(さがみ)。
一年前から強制的に同棲までさせて…彼は僕を躾ける。
僕は彼のことが好きだけど、彼のことを本気で思うのならば別れた方が良いんじゃないだろうか?
★BL&R18です。
【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み
通販で買った妖刀がガチだった ~試し斬りしたら空間が裂けて異世界に飛ばされた挙句、伝説の勇者だと勘違いされて困っています~
日之影ソラ
ファンタジー
ゲームや漫画が好きな大学生、宮本総司は、なんとなくネットサーフィンをしていると、アムゾンの購入サイトで妖刀が1000円で売っているのを見つけた。デザインは格好よく、どことなく惹かれるものを感じたから購入し、家に届いて試し切りをしたら……空間が斬れた!
斬れた空間に吸い込まれ、気がつけばそこは見たことがない異世界。勇者召喚の儀式最中だった王城に現れたことで、伝説の勇者が現れたと勘違いされてしまう。好待遇や周りの人の期待に流され、人違いだとは言えずにいたら、王女様に偽者だとバレてしまった。
偽物だったと世に知られたら死刑と脅され、死刑を免れるためには本当に魔王を倒して、勇者としての責任を果たすしかないと宣言される。
「偽者として死ぬか。本物の英雄になるか――どちらか選びなさい」
選択肢は一つしかない。死にたくない総司は嘘を本当にするため、伝説の勇者の名を騙る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる