フィリス・ガランの近衛生活

第5章 コーハ王国の近衛には、わがまま姫がいる。フィリス・ガランという子爵家子息。コーハ王国のイイ男を侍らせて、手玉にとっているらしいよ？

439.最終兵器ボク達作戦を練るよ。でも、なんでそのネーミングにした？恥ずかしいんだけど。報告するときに、自分の口から言いたくないんだけど。

いつでも、心の中には、ツッコミと合いの手がないと、ね。

サブリーとユージュアルは、街の配置を考えて、導線を導き出す。

歓迎ポイントを見通せる場所。

安全に待機出来る場所。

複数の人間が不自由なくおさまれる場所。

貴人がラウルを招きたくなる場所。

例えば。

高さがあって、一望にできる。

警備のための人員配置が可能。

待機時間と準備時間に、使用人の出入りが可能。

ラウルを連れてきた後、本拠地に帰るのに、ラウルを連れての移動が可能。

外国の王弟子息を欲しがることを咎められない人物が滞在可能。

あたりをつけて、近い所から、様子をみていき、辿り着いたのは。

会員制の高級ホテル。

「どうやって入る？」
とレイモンド。

「ここじゃないけど、似たような場所知っているから、構造はわかる。」
とサブリー。

「知っている？ホテルも経営してるのか？」
とロウウェル。

「バイト。」
とサブリー。

「バイト？」
とロウウェル。
サブリーの家はとても商売上手で、大変裕福。

「学生のノリで。」
とサブリー。

「ノリで働く先なのか？」
金持ち、すげーとロウウェル。

金持ちだと、下々に混じって働くのはかえって危ないのか、と思い直す。

「潜入は、任せた。」
とユージュアル。

「俺は、王冠とりにいく。」
とユージュアル。

「ボクは、後輩と正面突破。」
とフィリス。

「正面突破？」
とダンシェル。

「ごめんください。と言いながら、猛スピードで、効率重視でやっつけて、王冠の元へ行くの。遅れないように。」
とフィリス。

確かに、近衛じゃないな。
とダンシェルは思った。