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第5章 コーハ王国の近衛には、わがまま姫がいる。フィリス・ガランという子爵家子息。コーハ王国のイイ男を侍らせて、手玉にとっているらしいよ?

436.どう頑張っても、相性が悪い相手。交流試合という、目的を達成しよう。多少順番は、前後するが、することに結果がついてくれば、不問だ。

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「何がしたいんだ?」
とセドリック。

ティリリ王国側は、全員ご機嫌だ。
「何が?分かっているんだろう?連れて来いよ。上玉転がしを。」

「お前は、転がされていないのか?」

「当代のイイ男、3人も食ってるぐらいだ。もう何人か、わからんように食ってるだろうよ。」

「穴兄弟かよ。」

フィリスは、思った。

打ち合わせしていたスケジュールを最初から無視する。

信用できない。

国境越えたから、ティリリ王国に入ったことになるよね?

ティリリ王国に来た。

任務完了。

よし、帰ろう。

今こそ、近衛別働隊、総司令の肩書きを使う。

フィリスが決心して、サブリーとユージュアルに合図を送る前に、前方で、大きな音がした。

セドリックがティリリ王国側の近衛を2人やっつけていた。

「予定と違うが、構わないな?」
とセドリック。
「場所と時間が変更になるのは、珍しくない。」
とラウル。

「交流試合、開始だ。死んだり怪我したくなければ、逃げ切れよ。」
とセドリックは、言うなり、シュクナと飛び出す。

「ダンシェル、ロウウェル、レイモンド。6人で固まれ。乱戦に持ち込む。」
とラウル。

ラウルは、エスターと共に、本隊のグループリーダーの元へ。

本隊のグループリーダーもすかさず指示を出し、歓迎ポイントは交戦ポイントへ。

「強国の1つだから、無視は出来ないけど、仲良くも出来ない、理由がよく分かる。」
とユージュアル。

「相性悪いよな。」
とサブリー。

「乱戦状態を活かして、戦闘を避けながら、王冠を取りに行こう。」
とフィリス。

「王冠?国王?」
とレイモンド。

「国王じゃない。王冠を制する者が、ゲームを制する。」
とユージュアル。

「『わがまま姫』を晒し者にすることを望み、高みの見物を決め込んだ本物にわがままなやつのこと。」
とサブリー。

「どう動く?」
とロウウェル。

「体力を温存するために、戦闘になりそうな場面は、避ける。捕り物の体力がいるからな。」
とユージュアル。

「かわす、さける、避けるが基本。反撃から、本格的な戦闘が始まると時間を食うから、攻撃は一撃必殺。戦闘は長引かせない。」
とサブリー。

「王冠と、その周囲は?」
とダンシェル。

「王冠だけ、命があればいい。残りは虫の息にする。」
とフィリス。

「開始。」
とフィリス。
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