フィリス・ガランの近衛生活

第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった？

422.売春宿を管理している。2人、体を壊した。何人か、親に借金を立て替えてもらうと言い出した。男娼が減ったら、売春宿の経営に困る。却下だ。

「男娼の仕事をしない男のせいで、その男娼は人生を潰した。」

「両者の因果関係なんて、ないでしょ？」
とフィリス。

ああ、とすぐに合点がいった。

使えなくなった男娼の埋め合わせを仕事をしない男娼に割り振るための口実ね。

コウノワタルは淡々と話す。

生きていくために、したくない仕事についている先輩達。
仕事と先輩を見下してくる生意気な仕事をしない新人。

矛盾を指摘する者はいなかった。

新人は、見下していた先輩よりハードな仕事を2人分回され、早々に体を壊した。

体を壊した2人に時間差で変身する薬を渡す。

先に飲んだ、ボロボロの体の男娼は、売春宿にきたときより、5歳若返ると、これなら、バレずに逃げられると出ていった。

薬の追加は、渡していないので、いずれ、副作用に耐えきれなくなり、事切れるだろう。

新人は、変身薬の説明をされていないので、変身はしないが、体内に薬が回っていく。

時間経過により、新人の体内の薬の量が一定量を下回る。

新人は再起不能で廃棄処分になった。

残りの男娼には、2人とも、帰ってこないと話した。

その数日後。
数人の男娼が、親に借金を返済してもらって帰ると言い出した。

新人が自由に振る舞う姿を見て、考えた、と。

「おれは許さなかった。」

「おれは、売春宿を管理しなくちゃいけない。親がかりで借金の返済などさせるか。男娼の数が減ったら売春宿はあがったりだ。」

「数人の男娼は、足抜けしようとして、捕まり違う場所に行った。そこはおれの管理しない場所だ。どうなったって構わない。」

「その場所は知らないの？」
とフィリス。
川上と川下の関係なら、知っていてもおかしくない。

「あまり、多くを知りすぎると、寿命を縮めるんだよ。」

「派手な捕り物になったから、更に残ったやつは大人しくなった。」

「ただ、数が減ったから、前より仕事がきつくなったな。」

「何人が残ったの？」

「最後まで働けたのは3人。」

「さすがに、3人で回すのはきついと女に聞いたら、女が、3人を使うから、売春宿は開店休業にすると言い出した。」

「女が3人をどこへやったかは、わからない。」