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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

415.自国で、自国民を行方不明にした他国の関係者に、怒りを覚えない者は、為政者に向いていない。我が国で、我が国民をよくも行方不明にしたな。

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頭上がすっきりしたフィリス、サブリー、ユージュアルは、ご機嫌に、コウノワタルの部屋へ。

「おや、お帰り。」
コウノワタルは、コーハ王国の隔離部屋で快適に過ごしていたようだ。

「帰ってきたから、コウノワタルと話をする。」
とフィリス。

「何か見つけたのかな?」
とコウノワタル。

「見つからないから、問題なの。コウノワタル、売春宿の男娼はどこかしら?」
フィリスは、迷いなく本題に入った。

「知らない、は聞かない。
コウノワタルの飲んでいる薬は、絶大な効果が出る。
ただし、効果を維持するために、薬が1度体内に入ったら、常に一定量が体内をめぐっている必要がある。
体内にある薬が必要量を下回ると、体を壊す副作用がある。」

「コウノワタル自身、飲み始める前に、副作用について知っていたか、知らなかったか、は問題じゃないの。
今も飲み続けているのが、コウノワタルの答え。」

「姿を変える薬を常用する取引と引き換えに、何をしていたの?」

退かない姿勢のフィリスに、コウノワタルはたじろぐ。

「見た感じより、賢かったのかな?」
とコウノワタル。

「モルトルは、前世の経験から人間関係を築くのが上手くない。彼を助けたかった。」
とコウノワタル。

「助ける?敵を増やすことが?」
とフィリス。

コウノワタルは、フィリスを探るように観察している。

フィリスは話してやることにした。

「コウノワタルと関わったことがあるモルトル・ヨーリキの関係者には共通点がある。何かわかるかしら?」

「モルトル・ヨーリキに対し、好意や厚意、感謝の気持ちから始まっていたのに、一人残らず、モルトル・ヨーリキに対する気持ちが反転していた。」

「それに引き換え。コウノワタルは低評価から始まるけど、ありのままのコウノワタルを認められている。」

「モルトル・ヨーリキはコウノワタルに外部との接点を作らせまいとした。でも、コウノワタルは、モルトル・ヨーリキに気付かずに、外部との接点を持ち続けた。」

コウノワタルは、相変わらず、フィリスの出方をうかがっている。

フィリスは、決定的な一言を投げてやることにした。

「モルトル・ヨーリキに対して、コウノワタルが何を考えて行動したのかなんて、ボクにはどうでもいいの。」

コウノワタルから、構えていた様子が消える。

「不思議?責められると警戒していた?」

コウノワタルは、うんともすんとも言わず、じっとフィリスをみている。

「ボクは、責めない。コウノワタルの動機がなんであろうと、尋ねない。」

コウノワタルは、『尋ねない。』にピクリと反応した。

尋ねられて、動機を語りたかったのだろうか。

しかし、フィリスはしない。

「どうしてか、分かるかしら?」

「モルトル・ヨーリキは、コーハ王国民ではないから。」

でもね、とフィリスは続ける。

「コーハ王国の王都の裏通りの売春宿にいた男娼は、コーハ王国民なの。」

「ボクは、コーハ王国の貴族。支配者であり、為政者。」

「複数の自国民が突然、理由もなくある場所から行方不明になった。」

「行方不明になった場所は、他国の人間とその関係者が関わっている。」

「他国の関係者が、厚顔無恥にも我関せずを決め込んでいる。」

「自国で、自国民を行方不明にした他国の関係者に、怒りを覚えない者は、為政者に向いていない。」

「コーハ王国民をどこにやったの?」
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