フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

407.妹と共有している婚約者様方(全力で譲りたい。当方20代男性。相手30代後半男性。)は、俺達に密偵をつけているのかもしれない。

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サブリーとユージュアルは、思わず頭上に手を伸ばす。

こっそり3人で王城の門を出て、女のコのお店を目指し、意気揚々に歩いてジーンに見つかった日。

『待っていたのに帰ってこないから、迎えにきた』
というジーンとの会話で、
迎えに来なくて大丈夫と主張した3人の台詞。

今日、3人が華やかな頭を演出することになった原因。

なんで、ご存知ナンデショウ?
国違いますよね?

お知り合い、いましたか?
俺は見かけませんでした。

下手なことを喋ったらダメだ。
2人は、言葉にならない動揺を抑え込む。

ハーマルに女のコのお店に行く話をしたときに、ハーマルから、言われた台詞が蘇る。

『知られたら、皿にのせて食べられるよ。』

「本物の大人がいれば、3人もいらない。一緒に行ってみようか?」
と補佐1。

とても親切めいて聞こえる。
行き先が、女のコのいるお店でなければ。
初めて女のコのいるお店に行くのに、大人の余裕綽々な男と2人では、絶対行きたくない。

ただでさえ、サブリーとユージュアルは、女のコから安全パイ扱いされて相手にされないのだ。

いかにも金も権力もあるとわかる男前と並んでいたら、女のコを全員取られる。


しかも、仮初めとはいえ、モテ男は、婚約者様である。

婚約者様の目の前で、仲良くなろうと頑張った成果は、女のコからではなく、婚約者様から還元されてしまう。

なんと言われても、絶対に一緒に行くのはごめんである。

「いえ、間に合っています。」
とサブリー。
「気が乗らないので。」
とユージュアル。

そもそも、2人きりのお出かけなんぞ、妹と行けと言いたい。

言いたいが、妹の安全のために、言えない。

2人きりでお出かけしなくても?と以前言ったら、ムード溢れるお部屋に案内され、男の膝に乗せられ、ハラハラドキドキしながら、時間が過ぎるのを待つ羽目になった。

お断りのはずが、提案になって、グレードアップされてのご提供になって還ってくる。

考えてから、喋らないと。

サブリーとユージュアルは、婚約者に肩を抱かれたまま、考える。

「人生経験を積みたいなら、婚約者にお願いするのが、正解の近道だよ。」
と補佐1。
「初めては、手取り足取り時間をかけたいからね。今から、日程調整しておこうか。」
と補佐2。

人生経験の中でも女性に関しては、近道しなくてもいい。

寧ろ、ドキドキワクワクしながら、女体の神秘に迫りたい。

だいたい、婚約者の斡旋や手ほどきで、女性経験を積んだら、その余韻に浸る間もなく、処女喪失に遭う。

妹が結婚するまでの期間限定なんだから、尻を掘られないで済ませたい。
女のコとの輝かしい未来があるのだ。

尻の世界は、ノーサンキュー。
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