フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

391.仲良くなりたいのに関係を築けない意中の人に、仲良くしている人がいたら、どうしようか?本来の仕事を投げ出しても咎められない理由って?

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「モルトル・ヨーリキの留守にモルトル・ヨーリキのいない執務室や自宅を私物化するなど、横領だ。私がいて、見逃しなどあり得ない。」

モルトル・ヨーリキとは、なんの関係もないのに、本人にはしない権利の主張をコウノワタルにはしていたのね。

「執務室からのリンクを使って、変身した男をあちこちに連れ出した?」

「出歩くときは、変身前の姿だ。真実の姿で働くのが、誠意だと言っていた。政府の犬を飼い主に定めたのなら、飼い主のためになることをすべし。飼い主のためになること、とはすなわち、政府の犬の仕事に他ならない。そう教えこんだからな。」

「どんな仕事をしていたの?」

「集落の人間が、モルトル・ヨーリキを主に定めないように指導すること、だ。モルトル・ヨーリキは、犬の自覚が足りないあまり、人の長を目指したからな。」

コウノワタルは、異世界人と面識がある以上の関わりを持っていた。
側においたモルトル・ヨーリキの意図とは反対に。

コウノワタルは、その事実をモルトル・ヨーリキには隠し続けた。

誰に何の意図がある?

「他に、変身する男と関わりがある人間はいない?」

この男、モルトル・ヨーリキに関することは、よく喋る。

「変身男が丈夫でないのは事実でな。他の仕事は、覚えても役に立たなかった。結果、集落の担当にした。」

「モルトル・ヨーリキが、執務室や自宅から出ていくと連れだし、戻る前に帰らせたの?それとも、変身男が自分で行き来していた?」

「私は、あんな不格好で気色悪い男といることに耐えられない。視界に入れたくもない。抜き打ち検査に行くと、まあまあうまくやっていた。」

男は満足そう。
男は、他人の家の同居人を家主に無断で連れ出して、働かせる采配をしただけだけど。

男の実績になるの?

コウノワタルに対する嫉妬だけが動機なの?

嫉妬だけが動機だったら、大ががり過ぎる。

本来の仕事は、いつしているの?

男の上司も、周りも、男を野放し。

本来の仕事が、オプションなのかしら?

「モルトル・ヨーリキが政府の犬であり続ける行いをすることは、誰の評価になるの?」
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