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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

388.アイツは、国のもの、政府の犬、だから、我々が使っていい、と利用した人間が主張している。『我々』って、政府の犬の同僚じゃないの?

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「モルトル・ヨーリキは、死ぬ運命にある。」
いきなり何を言い出すの。
「不死ではない人間が、ビボワにはいるの?」

いないの。

何が言いたいのかしら?

「モルトル・ヨーリキを選らんだ他の理由は?」

「モルトル・ヨーリキは、我々が使って良いのだ。」

「どうして?」

「国のものだからだ。」

「国民ということ?」

「違う。モルトル・ヨーリキは、政府の犬だ。」

「国のもの、政府の犬、だから、我々が使っていい、という理屈のうちの『我々』が指す範囲は、どこの誰?
政府の犬という言い回しの『政府』に該当するのは誰?
全員の名前を話しなさい。」

ボクが命令すると、国側の人間は驚いたの。

「政府の犬なんだぞ?」
政府の犬でない人間は総人口に比べたら少ないけれど、ボクの界隈では、珍しい話ではない。

「就職先が、国の人間なら、ボクの目の前にもいるよ?なにか違う?」

「私は、犬ではない。モルトル・ヨーリキと一緒にするな。」

「犬ではない?鼠?サソリ?国ではない雇い主がいるの?」

「私は、そのような不実な人間ではない。モルトル・ヨーリキは、政府の犬でありながら、宗派に媚びを売り、好き放題している。」

好き放題しているのは、ボクの目の前にいる男の方だとボクは思う。

「ボクの目の前にいる者よ。モルトル・ヨーリキとの関係性を答えなさい。」

「モルトル・ヨーリキが好き放題するなど、許されるものか。」

関係性を答えなさい、とボクは聞いたのよ?
堂々と聞き流したね?

ユージュアルに合図する。

ユージュアルは、国側の人の顔に、速やかに手を伸ばすなり、鼻を折った。

ユージュアルが多少動いても、ヘッドドレスはびくともしない。

素晴らしい密着具合。

国側の人の悶絶、早くおさまらないかしら?
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