フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

380.『あなた方の国がなくても、ボク達は困らない。鎖国してしまいなさい。鎖国前に、ボク達に損害賠償はしなさいよ?』

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専門家の意見を聞こう。

「ビボワ国って、ないと困るかしら?」

外交部の文官2人は即答してくれた。
「別に。」
「特に。」

決めた。
「ビボワ国は、鎖国しなさい。」

外国と付き合う前に、まず国内の統一から始めなさい。

名案でしょ。

「異論あるかしら?」

「「ありません。」」
外交のプロも認めてくれた。

「鎖国で話を詰めて。」

ボク達は、これから休憩タイム。
よく働いたからね。

外交部の担当と護衛が動いて、ボク達とビボワ側の間に壁を作った。

ハーマルお兄様が、椅子を持ってきてボク達のテーブルに座る。

護衛も一緒だから、安全。

たくさん話をしたから、飲み物も欲しい。

ハーマルお兄様が、飲み物も持ってきてくれた。

嬉しい。

ハーマルお兄様は、ボクが何か欲しいときや、足りないな、と思ったときに、必要なものを渡してくれる。

後は、外交部に頑張ってもらうのみ。

モルトル・ヨーリキは、引き渡さなくても、鎖国したら、捨てていけば済みそうね。

コーハは、ビボワの鎖国前に損害賠償分は回収して帰る。

完璧。

ビボワの人間は、鎖国した国内で、他人に迷惑をかけず、三者で、好きなだけ、争えばいいのよ。

ボクのいないところで。

ビボワ国のペースに流されて、
2時間も無駄にしてしまった。

ボクとしたことが。

コーハ王国は、
鎖国要求と損害賠償請求を同時進行で進めているけど、紛糾している。

護衛の壁の向こうで。
怒声に罵声が飛び交って、暴れてそうな音もする。

ボク達も、護衛も、文官も、今日ビボワ入りしたコーハ王国の人間は、全員、戦闘訓練と大なり小なりの実際の戦闘経験がある。

この場にいるコーハ王国の男も女も、弱くない。

それなのに、言葉での殴り合いを頑張っているのは、理由がある。

魔法を使って、エイヤってやってしまえば、手間も時間もかからない。

でも、コーハ王国の基本的方針として、
外交にいった訪問先で、交渉のテーブルにつかせるために、相手を魔法で威圧したり、屈服させることはしない。

コーハが他の国から、同じ仕打ちを受けたときに、抗議しにくくなるから。

外交部の方々、頑張って。
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