フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

375.大岡裁きで、母が子どもの手を離す逸話。3人だったら?国(うちの工作員だから)と宗派(うちの幹部だから)と家(うちの名字だから)。

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ボク達、ビボワ国に入ったの。

かれこれ、2時間は、国境の町で立ち往生している。

ボク達3人は、今、モルトル・ヨーリキが連れていかれないように、ぴったり張り付いている。

モルトル・ヨーリキを誰に引き渡すか、どこに引き渡すか、で揉めている真っ最中。

国か、宗派か、ヨーリキ家か。

三者三様で所有者を主張している。

1時間過ぎたあたりで、今日は、帰れないかも、と思ったよ。

国は、国として、問題があった国民を引き取るのが、国の在り方として正しい誠意の表し方と主張している。

宗派は、自分とこの幹部だから。信者も引き連れて勝手した罪は、うちが引き取って、

ヨーリキ家は、ヨーリキ家の者だから。

完全に三つ巴。

どれも引かない。

正直、国は、引渡し相手として弱い。
無力だし、工作員との関係性を公にすると自分達の首を締めるので、欲しがる理由が、宗派の幹部だから、情報狙いだとしか、見えない。

ヨーリキ家は、歴史があるけど、コーハという国相手に提示できるほどの何かは、持っていない。

消去法で、宗派しか残らないの。
コーハとしては。

目の前で、時間を無駄遣いされるのは嫌いなの、ボク。

ボクのために、使ってくれるなら、寛大な心で許してあげる。

でも、ボクに迷惑かけていることなんて、少しも気にしていないんだから。

ボク、怒っても、いいと思うの。

椅子とテーブルを要求して、座って待つことにしたよ。

コーハ勢で固まって。


そうしたら、モルトル・ヨーリキの弟だと言う男が、ボク達のテーブルに近付いてきた。

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