フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

368.ジーンの侯爵家にお招きに預かりました。お姫様ティアラとお付き用のヘッドドレス。制服用と普段使い用なんて、作らなくてもよいのでは?

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お迎えにきたジーンと一緒に3人は、ジーンのお家、侯爵家へ。

「ジーンのお家に遊びにいく申請していないの、ボク達。」
とフィリス。

「申請と、承認、許可まで済んでいるから、安心して入っておいで。」
とジーン。

帰ったらダメなのかな?
だめなやつだ、今から始まるやつだ。
ジーンが、優しい。優しくて怖い。

3人が入口でなんとか、お暇できないかと頭をひねっている間に、お部屋の準備が整ってしまう。

王の従兄弟が侯爵家ご当主のこのお家の使用人は、とてもきびきびしていて仕事が早い。

3人は退出の言い訳を考えつく暇がなかった。

「フィリス、サブリー、ユージュアル。いらっしゃい。」

侯爵夫人が楽しそうにお迎えくださる。

何かな?何が始まるのかな?

できれば、教育的指導とお仕置きはなしで。

「3人用に、可愛いティアラとヘッドドレスを作りましょうね。まずは、制服用かしら。普段使いも作りますからね。」

可愛いティアラ?

ヘッドドレス?

女のコ向けじゃない?

制服用って言ってた?

近衛の制服に合わせるの?

3人揃ってジーンを振り返る。

「姫とそのお付きだと、分かるようにね。」
とジーン。

ジーンは、今日のモルトル・ヨーリキの二つ名の話しを聞いている、と。

「別々でも、可愛い。揃えたら、もっと可愛いを目指すわ。」

3人は、心の中で返事する。

目指さなくて大丈夫です。勿体無いので、やめませんか?
とユージュアル

着ける予定はありません。ごめんなさい。
とフィリス。

黙って妹に譲ろう、そうしよう。
とサブリー。

「出来上がり次第、近衛棟に届くように手配したから。次の外交に間に合うよ。」
ジーンが、凄く親切な感じで話してくれている。

次の外交先は、モルトル・ヨーリキの死出の旅の同行だ。


ティアラやヘッドドレスつけて、近衛の制服着て外交に行くの?

3人は、一緒に仲良くジーンにごめんなさいをした。

ごめんなさいをしているのに、採寸とデザインが決まっていく。

「ジーン、ボク、姫じゃないよ?男なのよ。お姫様ティアラは、似合わないと思うの。」
とフィリス。

「ヘッドドレスの可愛さに負けるから、俺達。」
とユージュアル。
「可愛いものを台無しにするから。」
とサブリー。

3人が必死に訴えていると、侯爵夫人がにこやかに太鼓判をおしてくれた。

「心配しなくても、3人とも、かわいくなるように仕上げますよ。安心しなさい。」
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