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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

365.ボクが聞きたいことに、答えてから帰ってね。

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「博打の相談の前に、いくつか、確認する。」
とフィリス。

さくさくと質問していくフィリス。
「モルトル・ヨーリキの執務室は、誰が作ったの?」

「あてがわれた部屋だったから、知らないな。」

「部屋の出入りで異状は?」

「何もなかった。俺は、執務室で仕事をして、終わったら帰宅し、時々、異世界人の集落に行っていた。何も問題は、なかった。何を気にしている?」

「執務室と地理的に遠い外国の売春宿のVIPルームが同じ部屋だからね。」
不法入国のなぞを解明しなくちゃ。

「ああ。それは、宗派の術で実現は可能だ。実現したやつに会ったことはないくらい、緻密な操作を複数名で同時進行する必要があるから、成功例は聞いたことがなかった。実用化されていたとは。」

「宗派の術の中には、魔力持ちを外に出さないため、部屋の出入り口に逆流防止弁をつける技術や考え方は、存在する?」

「いや、それはないな。魔力に重きをおかない教義だから。」

「人外のお知り合いはいる?」

「いないことはないが、何か仕掛けられたのか?」

「人外のお知り合いは、モルトル・ヨーリキの執務室をどうにかするタイプ?」

「やらんな。」

「異世界人の集落は、彼らだけで完結しているの?」

「いや、さすがに、自給自足は難しいから、口のかたい関係者の出入りはある。」

「その関係者は、異世界人を集団で、国外へ移動できる能力がある?
移動させる発想が湧く?」

「どちらも、ないなあ。宗教的指導者に対して、敬虔な信者は疑義を挟まない。」

「そう。異世界転生者と思しき部下はいる?」

「組織上、部下はいるが、異世界転生者でも、そうでなくても、踏み込んだ付き合いはしねえ。」

「分かる範囲でいい。
後で、名前のリストを確認して、担当者にコメントして。
どんな人物でどんな仕事をしていたか、能力的なことや、繋がりのこと。異世界転移者、異世界転生者、敬虔な信者。最低3つ、他にも増えるかもね。
国と宗派でしていた仕事の両方、別の担当がくるから、話して。」

「分かった。死出の旅の手土産な。」

「異世界人を移動させた手段としては、執務室経由の可能性が高いけど、入りたくないしね。」

「外聞か?」

「あの部屋の仕様は、入ってきた魔力持ちを出さない仕様と、他にも何かしらあったからね。」

「異世界人を紹介、斡旋、仲介した相手は?」

「形のはっきりしない女だな。」

「1人だけ?異世界人ではなく?」

「異世界人を集めて保護する考え方に協賛して、融通をきかせてくれた。異世界人だとしたら、転生者だ。転移者ではない。この世界の人間だろう。」

「人外ではない?」

「おそらく、人間だな。形をはっきりさせないのは、他者への警戒だ。」

「コウノワタルの見た目を変えたのは、誰のどの術?」

「気になるのか?」

「気にならないの?」

「そういうものだと思っていた。」

フィリスは、コウノワタルの目配せに軽く頷く。

コウノワタルだけが知っているのだろう。

「博打の打ち合わせ、どうぞ。」
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