フィリス・ガランの近衛生活

第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった？

342.人生最初の職場や上司って、その後の社会人生活を左右するよね？

「貴方は、上司が死んだら、一緒に死ぬの？それとも1人で生きていくの？今の場所で。」
とフィリス。
「流石に一緒に死には、しないんじゃないかな？」
青年は苦笑気味。
「上司が死んだら、他の人とお仕事するの？」
フィリスは、掘り下げる。
「多分ね。上司が代わることは、大人の世界では珍しいことじゃないんだ。君達、家族とじゃなくて、職場で誰かと衝突したのかな？」

3人は、職場を思い起こす。

衝突はしていない。
ただ、教育的指導がある。
とフィリスは考えた。

ちょっとばかり、手厳しくて、サボらせてもらえない。
とサブリーとユージュアルは思った。

でも、ジーンには、愛があるからね！

3人とも、ジーンが好きだ。

「大丈夫。」
とフィリス。

「仕事を始めてすぐは、うまく行かないことも多いし、慣れてからも、大変なことはなくならない。でも、働いて、生きていかなくちゃね。」
青年は、フィリス達に、言い聞かせたいようだ。
3人は思った。
一生、養ってもらうのも、アリだよ？

「上司といつまで一緒にいたいの？」

「さあ。上司と出会って、この仕事をしている自分がいるから。
上司がいなかったら、どうしていたかなあ。
上司は、途中で自分を放り出したりしないと思う。
放り出すのは、理由があってのことだから、上司がいなくなれ、と言えばいなくなるけれど、自分からは離れないつもりだよ。」

「上司には、基本的に着いていくのね。仕事する場所は選べるの？」

「上司のいる場所で仕事するからね。」

「貴方は、自分のしている仕事内容を理解しているの？それとも、内容を理解することは、必要ではない仕事？」
とフィリス。

「正確かどうかは、分からないけど、全くわからないわけではないかな。仕事をしていたら、察することもあるよ。」

フィリスは、本題に入っていくことにした。
「貴方に仕事内容を聞いてきた、上司ではない人が、貴方に痛いことをしたら、どうするの？答えなかったら、痛くて死ぬかもしれない。答える？それとも、死ぬ？」