フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

340.『ごきげんよう。』は挨拶の基本。ボクは、良いお家の子ですもの。

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先住者は、静かになったけど、死んでいないので、無害そうな布を使って、ぐるぐる巻きにしてあげたよ。
骨折していても、固定したことになって、一石二鳥になるといいよね。

まあ、もし、死んでいても、偽名で入国しているから、死亡者は偽名の人。
難しいことは、外交部にお任せ。

先住者が沈黙している間に、3人は、部屋の残りを調査する。

部屋の中にある調度品には取り立てて騒ぐほどの細工はされていない。

男娼が魔法を自在に使えるほどの魔力がないなら、ゆりかごになっているVIPルームを出入り出来る。

魔力持ちが入ったら、出れないが、魔力が少なければ、出入り自由。

部屋の奥まったところに、もう1人、人を見つけた。

頭頂部は黒いが毛先だけ茶色い髪と黒い瞳。
彫りが浅いしょうゆ顔。
肌から推測すると、20代後半。
男娼にしては、色気皆無。
寧ろ、職業は文官っぽい。

3人と1人は見つめ合った。

「お話してみる?」
とフィリス。
「いきなり、上から目線で話しかけてきたり、暴力ふるってこないなら、話しても、大丈夫じゃないか?」
とサブリー。
「ダメなら、その時、考えよう。」
とユージュアル。

「いよいよ、ボクの出番。」
とフィリス。
「期待しているぞ。」
とユージュアル。
「頑張れ。」
とサブリー。
「応援ありがとう。ボクは、2人の期待に応えます!」
とフィリスが宣言して、サブリーとユージュアルが拍手する。

フィリスは、文官っぽい青年に声をかける。
「ごきげんよう。」
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