フィリス・ガランの近衛生活

第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった？

330.助けろと合図されても、戦力不足。助けを呼びにいきたかった。鮎の友釣りで、釣られる鮎の気持ち。何だろ？と見ていたら、捕まったんだけど。

3人は帰るつもりで、速やかに断った。

ユージュアルがゲンナリした様子で、手が見えた窓に顔を向けた。
「呼ばれている。」
「お化け？逃げるしかない。」
とサブリー。
「違う。救難信号だったと思う。」
とユージュアル。
「めちゃくちゃ陸にいるのに？」
とサブリー。
「海賊に襲われたときに使うやつだ。」
とユージュアル。
「捕まっているんかーい。」
とサブリー。
「入ったら、ボク達も捕まらない？」
とフィリス。

「今、まさに捕まりそう。」
とサブリー。
3人が窓を見上げている間に、逃げた女郎を捕まえていそうな、裏社会の現役っぽい男が増えた。
「海賊に襲われた場合の救難信号は、見つけた側が海賊に気づかれていないとか危難に瀕していないときは、無視したら、ダメなんだ。」
とユージュアル。
「今、まさに危難に瀕している場合は、どうしたらいいの？」
とフィリス。

じりっと取り囲んで、店の入口に追い込んでくる。

「友釣りで釣られる魚って、きっと俺たちと同じ感想だと思う。」
とユージュアル。
「食われたくないなー。」
とサブリー。
「ボク、この建物に入りたくないの。」
とフィリス。

逃げられなかった3人は、ぐいぐいと建物の中に押し込まれた。
「帰りたかったなー。」
とサブリー。
「帰してくれるかなー。」
とユージュアル。
「仕事終わりに、遊ぶ時間あるかしら？」
とフィリス。