フィリス・ガランの近衛生活

第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった？

328.自分にとって重要度が低いと思ったら、耳を素通りする。面倒だから、聞かなかったことにする。好奇心のままに突っ込んでいく。三者三様。

「お泊りする？」
とフィリス。
「どうしよう。知らない人と同じベッドで寝るのはなー。」
とサブリー。
「ベッドとか、綺麗なのかなー。」
とユージュアル。
そもそも、とサブリー。
「女のコの匂いがする布団がない時点で、泊まる気ゼロになった。」
とサブリー。
「男じゃない、俺に優しい女のコと出会いたかったのに。お金出しても。」
とユージュアル。

自国の王子の誘いを蹴り続けているフィリスと、女子に男を紹介されてしまうサブリーとユージュアルが一緒にいても、貴族子女と仲良くなる機会などあるはずがない。

玄人一択。

「お泊りは、他所でする！」
とフィリス。
「仕事に疲れたから、休憩しました、でいいよな？」
とユージュアル。
「誰もこっち来ていないから、バレないバレない。」
とサブリー。

「さくさく、仕事を片付ける。」
とサブリー。
「お小遣い、こっそり持ってきて、良かったね。」
とフィリス。
「職場の金を私的に使うのは横領だけど、仕事帰りに自分の金で遊びに行くのは問題ない。」
とユージュアル。

「いざ、出発。」
とフィリス。
「「おー！」」
とサブリーとユージュアル。


内偵に出発した3人には、監視と護衛がついている。
魔法で、届いた音声を聞いた近衛別働隊の幹部は、『知っていた』という顔になった。全員が。

「城を出て、5分保たなかったな。」
とジーン。
「中途半端に常識を知っているからか？3人揃うと、ダメな方に振り切れるよな。」
とリッチェル。
「3人だけで自由行動だと思っているんだろう。」
とラウル。
「あの3人に自由行動させたら、誘拐されて、起きたら船の上で競りが始まっているぞ。」
とアンドリュー。
「緊張感が続かないところが、大物と紙一重か。」
とセドリック。
「言うことを聞く気が、3人とも一切ないまま出発したけど、注意事項は覚えているんだろうか。」
とアラン。