フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

291.現場を知らない人間の頭の中だけで決めると、現場の不評を買うこと、あるよね?身近にいる人間を自分の都合よく動かす人は、さり気なくやる。

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大逆ワードは、ひとまず、おいておく。
相談役が慣れて、反応が読み辛くなってもやりにくい。

王妃との会話に大逆ワードを使い続けるのは、今ではない。

大逆ワードから、王妃の気を逸らそう。

「仕事をしない国王と王妃は、積極的に仕事をしている王太子の権勢を削ぐことにのみ熱意があったのか?」

「なんですって。」

「国王と王妃の仕事は、王太子と第2王子と第3王子の周辺が働いて、ぎりぎり国家運営が出来ていた。」

「仕事をしない人間をあてにして、仕事を滞らせるより、働く意欲のある人間に仕事を割り振る。
理念や理想ではなく、現実を生きているなら。」

「王太子の権勢を削ぐことは、実務に携わる人間には、マイナスにしかならない。」

「実務がやり辛くなるのに、王太子の権勢を削ぎ続けるか?現場の人間が。」

「現場にいない人間の考えそうなことだな?
自分以外の第三者が権威や権力を持つことに脅威を感じている人間の、な。」

相談役は、相談に乗るばかりで、現場の実務の仕事はしていない。

各所で、雑用は引き受けるらしいが、責任ある業務には携わっていない。

王妃は、自分について当てこすられたように感じているが、それでよい。
デヒルは、王妃を相談役の反応を見るためのカムフラージュにしている。

さて、話を変えようか。

デヒルは別の切り口で話し出す。
「国王と王妃が仕事をしない。結果は同じだが、動機は、違うんじゃないか?」

「王妃は、王妃の役割を理解していないからだが、国王は、役割を理解した上で、王妃に理解させていない。」

「国王は、王妃が王妃の役割を理解していないことをよしとして、暴走するのを黙認した。」

「国王は、王妃に対し、コーハ王国の王妃として不適格な言動を諌めず、追随する者の出現を許した。」

「国王自身は、無能ではない。仕事を全くしないのではなく、しない仕事を選別している。」

「本人の口から、真意が聞けるか?」

デヒルは、王妃から国王陛下に顔を向けた。
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