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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?
286.国王陛下に、鼎の軽重を問えば、返事を聞く前に親切な誰かが、王妃様に愛息子が男と結婚する、と教えたみたい。謁見の間に飛び込んできたよ。
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「王よ。第4子は、昨日、建国の誓約を理解し、コーハ王家の一員てあり続ける誓約をフィリスと交わした。今代の王家は全員理解したことになる。」
とデヒル。
「さて、王よ、頭の王冠をおろしたくなったのではないか?」
とデヒル。
「わたくしのフィリップが男と結婚するなど、許すとでも思っているの?」
王妃に知らせた親切な者がいたらしい。
複数人の乱れた足音が響いたかと思うと、王妃が謁見の間に入ってきた。
「何事?」
王妃が入ると謁見の間の扉は、静かに素早く閉まった。
謁見の間は、王妃が見たことのない光景になっている。
見慣れぬ軍服の男女に取り押さえられている貴族や要人。
夫の国王陛下と愛息子のフィリップを分断して、周りを取り囲む軍服の集団。
そして、なぜか、その空間の中にいるのに、拘束されていない、王の相談役と側近達。
王妃は、自分の兄弟を探した。兄は公爵で、弟は公爵の夫。どちらの家も、近衛を動かせる。
この非常事態にこそ、近衛の出番だ。
しかし、兄である公爵も、義理の姉の公爵も、大人しく捕らわれたまま。
「何をしているの?近衛はどこ?」
謁見の間にいる近衛のほとんどが拘束されていた。
誰かいないの?
王妃の目は、拘束を逃れた若い近衛を探し当てる。
「職務怠慢よ、早く助けなさい。」
と王妃。
「王妃よ。彼らは、これからのコーハ王家を担う、国王候補と側近達。みだりに近づくな。」
とデヒル。
「王位を簒奪するつもり?」
と王妃。
「簒奪したのは、貴女の夫で、簒奪させたのは、貴女だ。義理の弟が王位についていたなら、王妃は貴女だったか?王子は、誰になっていただろうか?」
とデヒル。
「国王と王妃は、わたくし達よ。」
と王妃。結果はどうあれ、即位したのは彼女の夫で、彼女は王妃になった。
「コーハ王国を滅亡させる国王と王妃として、名を残したかったとはな。」
とデヒル。
「コーハは、簡単に滅亡など、しないわ。」
世界有数の強国なのだから。
「王妃は、ガランのないコーハ王国の力量を知らないと見える。」
とデヒル。
「そんなに言うなら、国と王家に差し出しなさい。王家に仕えず、国を繁栄させないなんて、貴族にあるまじき行いよ。」
と王妃。
「国王夫妻は、時間がズレても言うことは同じ。気の合う夫妻だな。」
とデヒル。
「国王に、言われたなら、グズグズしないで従いなさい。」
と王妃。
「『国と王家のために差し出せ。』か。同じセリフを我が父ダルクに言ったのは、王太子だった当時の国王だ。その結果を知らないのか?」
とデヒル。
「何が。」
と王妃。
「そのセリフの後、父にガランへ侯爵位をくれてやると言ったせいで、国王は王太子でなくなった。」
とデヒル。
「さて、王太子は、ただの王子になっただけだから、再び、王太子に返り咲いて、玉座に座ることができた。」
とデヒル。
「王妃は、王妃をおりて、何になるのが相応しいか?」
とデヒル。
デヒルは、ラウル、エスター、ジーン、シドニーに目を向けた後、憐れみをこめて、王妃を見る。
「新しい国王には、新しい王妃が相応しい。」
とデヒル。
とデヒル。
「さて、王よ、頭の王冠をおろしたくなったのではないか?」
とデヒル。
「わたくしのフィリップが男と結婚するなど、許すとでも思っているの?」
王妃に知らせた親切な者がいたらしい。
複数人の乱れた足音が響いたかと思うと、王妃が謁見の間に入ってきた。
「何事?」
王妃が入ると謁見の間の扉は、静かに素早く閉まった。
謁見の間は、王妃が見たことのない光景になっている。
見慣れぬ軍服の男女に取り押さえられている貴族や要人。
夫の国王陛下と愛息子のフィリップを分断して、周りを取り囲む軍服の集団。
そして、なぜか、その空間の中にいるのに、拘束されていない、王の相談役と側近達。
王妃は、自分の兄弟を探した。兄は公爵で、弟は公爵の夫。どちらの家も、近衛を動かせる。
この非常事態にこそ、近衛の出番だ。
しかし、兄である公爵も、義理の姉の公爵も、大人しく捕らわれたまま。
「何をしているの?近衛はどこ?」
謁見の間にいる近衛のほとんどが拘束されていた。
誰かいないの?
王妃の目は、拘束を逃れた若い近衛を探し当てる。
「職務怠慢よ、早く助けなさい。」
と王妃。
「王妃よ。彼らは、これからのコーハ王家を担う、国王候補と側近達。みだりに近づくな。」
とデヒル。
「王位を簒奪するつもり?」
と王妃。
「簒奪したのは、貴女の夫で、簒奪させたのは、貴女だ。義理の弟が王位についていたなら、王妃は貴女だったか?王子は、誰になっていただろうか?」
とデヒル。
「国王と王妃は、わたくし達よ。」
と王妃。結果はどうあれ、即位したのは彼女の夫で、彼女は王妃になった。
「コーハ王国を滅亡させる国王と王妃として、名を残したかったとはな。」
とデヒル。
「コーハは、簡単に滅亡など、しないわ。」
世界有数の強国なのだから。
「王妃は、ガランのないコーハ王国の力量を知らないと見える。」
とデヒル。
「そんなに言うなら、国と王家に差し出しなさい。王家に仕えず、国を繁栄させないなんて、貴族にあるまじき行いよ。」
と王妃。
「国王夫妻は、時間がズレても言うことは同じ。気の合う夫妻だな。」
とデヒル。
「国王に、言われたなら、グズグズしないで従いなさい。」
と王妃。
「『国と王家のために差し出せ。』か。同じセリフを我が父ダルクに言ったのは、王太子だった当時の国王だ。その結果を知らないのか?」
とデヒル。
「何が。」
と王妃。
「そのセリフの後、父にガランへ侯爵位をくれてやると言ったせいで、国王は王太子でなくなった。」
とデヒル。
「さて、王太子は、ただの王子になっただけだから、再び、王太子に返り咲いて、玉座に座ることができた。」
とデヒル。
「王妃は、王妃をおりて、何になるのが相応しいか?」
とデヒル。
デヒルは、ラウル、エスター、ジーン、シドニーに目を向けた後、憐れみをこめて、王妃を見る。
「新しい国王には、新しい王妃が相応しい。」
とデヒル。
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