フィリス・ガランの近衛生活

第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった？

276.1回許したら、友人でもない、これっきりにしたいと思っている相手が、図々しく亭主面してくるんだけど？ボクに、亭主はいりません。

フィリスがしつこく着る服を要求したら、近衛の制服とシーツを見せられた。
「どっちがいい？」
とフィリップ殿下。
「シーツは、何のため？」
シーツが服に見える？
「身一つで、嫁いできた証拠。」
とフィリップ殿下。
「結婚は絶対なし。」
裸で嫁いでいく予定は一生ないの。
「残念。」

渋々近衛の制服を着ている。

王様に報告するから、謁見の間なので、抱っこはだめだから、とフィリップ殿下がボクの腰に手を回してくるから、ボクは、ぺしぺし叩いている。

1度切りって言ったでしょ？

『1回寝たからって、図々しい。彼氏面も亭主面も、似合ってないわ。』
と言って、男の人を叩き出した女の人。
ボクは、貴女に激しく同意する。

ボクの旦那様になりきっているのは、どうして？

『おめでとうございます。』
と、道すがら祝われていたの、聞いていたよね？
否定してよ。
既成事実があるから、とか、ふざけているの？

これだから、男って。

ボクも男だけど。

問題が起きたら、セックスで解決すればいい、とか思ってない？

絶対違うからね。

それに、今回、最初から最後まで気持ちよく終わったのは、フィリップ殿下だけ、だからね。

友人でもない。恋人でもない。むしろ、赤の他人だからね、ボクとフィリップ殿下の関係は。


ラウル、エスター、ジーン、シドニーに会えることだけが、楽しみ。

ボク、これから、王様とも戦わなくちゃいけないんだから。

お父様とお兄様に早くお会いしたい。

ボクは、勝ちに行くよ。