フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

263.ガラン軍、出撃前。デヒルは、領内の全軍に呼びかける。

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長男の疑問を解消し、新しい情報を植え付けたデヒルは、自分がいない間は、マーゴットに聞いてみろ、と言って、会議を終わらせた。

出撃準備が整ったようだ。

デヒルは、軍服に着替える。

ガラン家の当主とその子ども達は、1人1人、軍服の色が違う。

デヒルとマーゴットが並び立つ。

デヒルの軍服は、紫紺がメインで、黒をアクセント使いしている。

マーゴットの軍服は、燃えるような赤をメインに金色をアクセント使いしている。

デヒルが軍の一部を率いて出撃するため、領内に残る軍の指揮権をマーゴットにおろす。

その儀式をして、出撃の合図で、王都を目指す。

マーゴットが軍の指揮をとる中で、
領政については、長男と文官が担当し、ハーマルが相談役になると発表し、本日は解散する。

ハーマルは、マーゴットに軍の指揮権をおろすと聞いて、心配していたが、長男の領政の相談役を頼まれて、快く引き受けた。

長男の斜め後ろにハーマルが立つ。

長男とハーマルは、今回、軍服を着ていない。

2人とも文官仕様の服で、綺羅びやかに着飾っている。

ガラン領内は、全てのガラン軍へ通信が届く仕組みが、整備されている。

「ガラン軍よ。」
とデヒルの呼びかけが始まった。

「我が最愛の弟達が、コーハ王国の王都において、危害を加えられた。
3男ハーマルは王都からガラン領への道中、攻撃にさらされ続けた。
4男フィリスは、コーハ王国の王城において何者かによって拉致され、今も帰ってきていない。
王都邸の人間は、ハーマルとガラン領へ戻る道中、道半ばで倒れるほどの激しい攻撃を受けた。」
少し間を作る。

「ガランは、ガランに仇なす者に容赦はしない。」
きっぱり、はっきり。

「我が軍は、ハーマルとガラン一行を襲撃した勢力へ攻勢をかけ、同時にコーハ王国王城を制圧、フィリスを奪回し、ガランの敵を殲滅する。」
行動は、明確に。

「コーハ王国王城の制圧は、私がいく。
ハーマルと王都邸一行を襲撃した勢力への攻勢とガラン領内のガラン軍の指揮権は、マーゴットが持つ。」

「制圧と攻勢に出ない者も十分、警戒せよ。我々は、攻撃を受け、新しい戦争に突入した。」
トップ不在でも、警戒は怠らない。

「私と共に王都に出撃する者は、王都に潜む毒の針を抜き去り、王都を安全なものへ変換させにいく。」
目的がはっきりしていれば、行く方も残る方も動きやすい。

「ガラン領内に残る者は、マーゴットと共に戦え。ガランとガラン領を脅かす者を許すな。」
デヒル不在の間は、マーゴットが軍の全権を握る。

「私の留守中、長男がハーマルを相談役にして領政をみる。よく仕えよ。」
ガラン家の子どもが責任持って、軍事以外も担い、デヒルの留守を守る。

「出撃。コーハ王国王城へ。」
とデヒル。

「出撃、我らは、ガランから王都へと進行する。」
とマーゴット。

通信が終わった。
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