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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

260.同じ事象に対して、全然違う思いを抱いていると気付かないで、互いに真意が分からないまま、表面上は、さらっと流しちゃうことあるよね?

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「フィリスとマーゴット。2人とも条件を全て理解し、話し合いを重ねて、婚約を成立させた。」
とデヒル。
「婚約の成立は、最近なんですか?」

詳しい時期については、そのうちにな、とデヒルは答えた。

「打診がきたのは、マーゴットが4歳のときだ。皇帝の考えは、マーゴットと皇弟の政略結婚だった。ガランからは、皇弟がマーゴットと夫婦生活を送れるのか?と返した。」
とデヒル。
「女性の襲撃から逃げて、フィリス叔父上に癒やされにきていたんですもんね。」
と長男。
「フィリスは、たとえ予備に名前を連ねても、ガランから出さない。マーゴットとフィリスを並べるのは許さない。ガランの方針は決まっていた。」
とデヒル。
「皇弟のハラが決まったら、皇国から連絡しろ。連絡なしに皇弟が来ても追い返す、と皇国に通告して、勝手に来たら、追い返した。」
とデヒル。

「うん。さすが。うち。」
ブレないのは、ガランならでは。

「最終的に、マーゴットとの婚約を決めたが、本命が、フィリスなのは、丸わかり。フィリスには房中術の仕込みも始めていたから、フィリスの純潔を求めないのであれば、フィリスに限り、婚前交渉を許可することにした。」
とデヒル。
「結婚前のお付き合いはフィリスと。結婚はマーゴットとする。結婚したら、フィリスとはきっぱり手を切り、生涯、マーゴットの夫であることを条件に。他にも色々つけたが、皇国と皇帝と皇弟自身が条件をのんだ。」
とデヒル。
「フィリス叔父上は、皇弟が好きなわけじゃないんですよね?」
と確認する長男。
「フィリスが皇弟に向ける感情は、遊んでくれる大人、だな。成長しても変わりはない。」
とデヒル。

「マーゴット叔母上が結婚するまでは、皇弟に求められたらフィリス叔父上は応える契約ですよね?」
と長男。
「そうだ。」

「皇弟が、一方的過ぎませんか。皇弟は、フィリス叔父上にそういう意味で好かれなくても、良かったんですかね?」
と長男。気持ちの前に、体を欲しがったら、気持ちは遠のくのでは?

「フィリスからすれば、一方的に婚約を持ち掛けてきて、妹と結婚するまでの間、自分の体を求める契約に喜んでサインした大人だ。求められたら、拒まないが、自分からは求めないスタンスだな。」
とデヒル。

皇弟とフィリスでは、出会った時点で、肉体年齢も精神年齢も違いすぎた。互いに理解をする機会があるとしたら、これからだろうとデヒルは思う。
すれ違ったままでいるより、少しでも近づけた方が、フィリスも楽になる。

結婚まで、本命との恋人期間を提案したのは、ガランだが、嬉々として食い付いてくる大人を見たら、フィリスも房中術を一生懸命身につけようと励んだよ、とデヒルは付け足した。

「フィリス叔父上が、割りを食いっぱなし、だと思います。」
と話を聞いた長男は、断言した。
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