上 下
255 / 1,412
第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

257.当事者がいなくなっても『そして、誰もいなくなった』では終わらない。問題の後始末や尻ぬぐいをするのは、関係の薄かった人だったりする。

しおりを挟む
「新鮮な死体ですか?」

「そうだ。」

「死にたてほやほや、な?」
死体にほやほや、はありかな?と思いつつ。

「その通り。」

「令嬢の死体を運んできたんですか?」
と長男。

「ああ。」

「王家は、その横で『残念ですが、令嬢に結婚は困難なようです。』と述べた。」
とデヒル。
死者ではなー。

「それから、どうなったんですか?」

「皇太后が、確認にきた。」
とデヒル。

「ご令嬢が本人かどうかも含めて、ですよね?」

「そうだ。皇太后がご令嬢本人の死亡を認めたので、王家は、上位互換のご令嬢を紹介した。」
とデヒル。

「さすが、嫁入り合戦。」
と長男。殺し合い上等とは。

「皇太后は、ご令嬢の上位互換だという令嬢を見て、『このものの首を刎ねよ。』と1言。」
とデヒル。

長男は、思わず、口をぽかんと開けた。

「王家が、何故かと聞けば。
『孫の嫁にする予定だったご令嬢より優れているような娘を野放しには出来ぬ。ご令嬢が嫁にくることがかなわなくなった今、この娘を生かしておくことはならぬ。わらわの目の前で、首を刎ねよ。』と皇太后が仰せになられた。」
とデヒル。

「どうなりました?」

「王家も、上位互換のご令嬢も、その家も抵抗したが、上位互換のご令嬢はその場で首を刎ねられた。」
とデヒル。

「やるなー。」
まあ、金を払って渡された品物が、売り物として、見せられていたものと違ったら、怒るのは、アリ。
見本じゃなきゃ、詐欺だ。

皇国が皇族の嫁に迎えるなら、相当の支度金も渡しているはず。支度金の返金もなく婚約解消の申し入れなど、通るはずもない。

父上から、支度金についての言及がなかったということは、支度金を受け取ったままで騒動を引き起こしたということだ。

「皇国の皇族と婚約しておきながら、婚約した娘を死なせて、約束を破った責任を追求せよ、と皇太后の命を受け、令嬢の家は誰もいなくなった。」
とデヒル。

「絶滅したんですか?」

「一人残らず。それから。」
とデヒル。

「まだ、ありましたか。」

「その場にいた王家と上位互換の令嬢の家のものは、皇太后の御御足を煩わせた責任をとるために、全員自害。」
とデヒル。

「今までの流れで、進んで自害する登場人物は、1人も出ていないような。」
長男は思わず呟く。

「死んでいない王家と貴族達に対して、『皇太后の望みを潰した原因を調べて、公表することと、皇太后に憂いを残した償いを国として続けるように』と皇国は言い渡した。」
とデヒル。

「相手、王家というからには、独立した王国なんですよね?属国じゃないんですよね?」
と長男。

「相手が、どこだろうが、誰だろうが、皇国の皇太后のお心を楽しませるはずだった孫の婚約を台無しするなど、皇国は許さないからな。」
とデヒル。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!

梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!? 【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】 ▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。 ▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。 ▼毎日18時投稿予定

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

【完結】別れ……ますよね?

325号室の住人
BL
☆全3話、完結済 僕の恋人は、テレビドラマに数多く出演する俳優を生業としている。 ある朝、テレビから流れてきたニュースに、僕は恋人との別れを決意した。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!

めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。 ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。 兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。 義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!? このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。 ※タイトル変更(2024/11/27)

願いの守護獣 チートなもふもふに転生したからには全力でペットになりたい

戌葉
ファンタジー
気付くと、もふもふに生まれ変わって、誰もいない森の雪の上に寝ていた。 人恋しさに森を出て、途中で魔物に間違われたりもしたけど、馬に助けられ騎士に保護してもらえた。正体はオレ自身でも分からないし、チートな魔法もまだ上手く使いこなせないけど、全力で可愛く頑張るのでペットとして飼ってください! チートな魔法のせいで狙われたり、自分でも分かっていなかった正体のおかげでとんでもないことに巻き込まれちゃったりするけど、オレが目指すのはぐーたらペット生活だ!! ※「1-7」で正体が判明します。「精霊の愛し子編」や番外編、「美食の守護獣」ではすでに正体が分かっていますので、お気を付けください。 番外編「美食の守護獣 ~チートなもふもふに転生したからには全力で食い倒れたい」 「冒険者編」と「精霊の愛し子編」の間の食い倒れツアーのお話です。 https://www.alphapolis.co.jp/novel/2227451/394680824

平凡冒険者のスローライフ

上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。 平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。 果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか…… ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

処理中です...