フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

255.ヤバい要求を平気でしてくる国は、国のトップがヤバいのか、国民性がやばいのか。叔母の婚約者がヤバい国のトップに近い人間と知った日。

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理不尽を押し通せてしまう国。それが。
「皇国だからな。」
とデヒル。
「そんなあっさり受け入れられますか。相手に対して失礼ですよね?」
と長男。

「皇国の皇族との結婚は、皇族1人につき、2人の婚約者を立てるのが通例だ。」
とデヒル。

失礼なことをしていても、失礼にあたいしないのが常識?
長男は、意味が分からない。

「2人と結婚するんですか?」
と長男。
「結婚するのは、どちらか1人。正規の婚約者を1人。そのものが駄目になった場合のためにもう1人。」
とデヒル。
「予備ありき、で婚約するんですか?」
と長男。用心深くあるのか?
「ああ。予備の条件は、正規の婚約者の兄弟姉妹で未婚、正規の婚約者とは異なる性別であること。」
とデヒル。

「同じ性別だと、姉妹で、骨肉の争いが繰り広げられるから?」
と長男。
「それも有り得るが、同性で揃えると、結婚に至らなかった方が適齢期を逃し、未婚で終わる可能性が高い。」
とデヒル。
「他の人と結婚しないんですか?」
と長男。
「皇族に選ばれなかった方という不名誉な看板を一生背負うからな。」
とデヒル。
婚約者に名を連ねた名誉、とはならないのか。
「そうまでして、なんで、婚約者に正規と予備がいるんですか?」
と長男。
わざわざ、不名誉を被るかもしれない予備を用意するのは、意味があるのか?

「皇国は、皇国自体が巨大かつ、複数の属国が存在し、属国以外にも影響力がある。」
それは知っているか?と長男に確認するデヒル。
勿論知っている。
皇国の皇族は旧家の1つで、皇国を支配するだけでなく、属国まで従える大変アクティブな家だ。
アクティブさが突き抜けているから、皇族の機嫌を損ねるとヤバい国。
皇族の言うことは、最優先な国なので、皇族の不興をかうべからず、で進む。
「はい。」

マーゴット叔母上が結婚したら、ヤバい国のトップとお付き合い始まるのか、と思うと、外交に腰が引けてしまう。
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