フィリス・ガランの近衛生活

第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった？

250.父と叔父に関係があったと知って、必要だからだなと割り切る長男。情緒で為政者は務まらない。

父とフィリス叔父の関係を聞いても、デヒルの長男は、それが必要だったんだな、としか思わない。
為政者たる祖父ダルク、父デヒルを見て育ち、為政者として教育を受けてきたからだろうか。

当主の息子に閨教育ではなく、房中術を仕込むなら、下手な人選は出来ない。両方の人生を歪める可能性がある。

だから、フィリス叔父に仕込んだのが父だと聞いても、ガラン領のためになる、と考えた。

母は、次期当主夫人ではなく、家庭を持つ妻としての感情が動いたのか。


ガラン家当主や嫡子は、代々伴侶は1人しか持たなかった。
妻は1人と明文化されていないので、決まっていたわけではない。
母は、自分の代になって、一夫一婦制が崩れることを危惧したのか。

しかも、ライバルが、領民ならともかく、年の離れた夫の実弟では、勝ち目などどこにもない。

母は、そんな風に思い詰めているのかもしれない。

夫婦の問題なので、父と母で解決するだろう。

デヒルの長男としては、色々知った以上、これからの、自分の立ち位置を確認しておく必要がある。

父はどんな考えを持っているのだろうか？

父の考えを聞くのが楽しみだ。