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第4章 異世界転生した少年少女がガラン領を永久追放されて王都に移送後、何があった?

245.父親の愛情を求めたが、得られず、我が子には祖父の立場から熱心に関わる父親を見つづけることは、どれほどの関係を壊したのだろうか?

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「出陣前に、こんなに気を抜いていて、という気になりますなあ。」

「占拠してからが、長い。出発前は、楽にしていろ。」
とデヒル。

「長くなりますか?」

「王太子周辺は、会話が成り立つが、権力がない。」
とデヒル。

「先代国王陛下が表舞台に出なくなった途端、王太子殿下の権勢がガタ落ちしましたからね。」

「先代国王陛下と王太子殿下が、国王陛下より権勢を奮っている状況が、国としてはおかしかった。体制としては、正常に戻ったんだが。」
とデヒル。

「後継者として、育っている我が子から力を削ぐなんて。」

「我が子に王位を脅かされると警戒しているのかと思いました。」

「父親の愛を求め続けたが、父親から興味を持たれずに大人になり、父親にとっては孫にあたる我が子を、祖父の立場の父親が熱心に関わり大切に育てている。
父親は、子ども自体に興味がない、のではなく、自分自身に興味がなかった、と国王陛下が考えてもおかしくない。」
とデヒル。

「国王陛下の感情の矛先は、父親でなく、我が子に向かった、と?」

「国王陛下は、諸悪の根源の父親に対しては、今まで、直接、恨みや憎しみをぶつけていない。愛を与えてくれないという理由で父親を糾弾しては、愛を与えてもらえる可能性が潰えてしまう。」
とデヒル。

「デヒル様が、度々、王太子の様子を確認されるのは、生存確認だったのですね。」

「王太子は、祖父と父親の失敗から、命運をわける勘所を理解している。実父母の国王陛下夫妻に疎まれている以上、ガラン家の私が命綱だからな。」
とデヒル。

「コーハ王家の弱体化、コーハ王家とガラン家の決裂を狙われているかのようですな。」

「コーハ王国の瓦解が目的か、コーハ王家とガランが分裂することで、両方の力を低下させるのが目的か。
この機会に、コーハ王家と、コーハ王国内に巣食っている何かを取り除く。」
とデヒル。

「今までは、多少のオイタも根腐れも放置でしたが?」

「自浄作用が働くうちは、手を出さないが、今代は絶望的だ。外からナタで叩き壊して、悪臭の元を断つ。場合によっては、再構成も。」
とデヒル。

「かしこまりました。」
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